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【コラム】米国は二流か、生活の質調査でNY44位

  • 米国で最も評価が高い都市はサンフランシスコの34位
  • ロンドンとミラノ同率41位、東京49位、北京120位-マーサー
relates to 【コラム】米国は二流か、生活の質調査でNY44位

Photographer: Mario Tama/Getty Images

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Photographer: Mario Tama/Getty Images

グローバルな人材コンサルティング会社マーサーが発表した最新の「世界生活環境調査」によるランキングで、ウィーンが10年連続でトップとなった。チューリヒ、バンクーバー、ミュンヘン、ニュージーランドのオークランド、デュッセルドルフ、フランクフルト、コペンハーゲン、ジュネーブ、バーゼルが残りのトップ10だ。

  米国で最も評価が高い都市はサンフランシスコで34位。ロンドンとミラノが同率の41位。パリは39位。ニューヨークが44位で、東京は49位。北京は120位で、最下位の231位はバグダッドだ。マーサーは経済環境や住宅、ヘルスケア、公共サービス、安全性、自然環境などに基づき毎年ランク付けを行っている。

Other Countries Attract Immigrants, Too

Percentage of the population that is foreign-born, 2017*

Sources: Organization for Economic Cooperation and Development (for all countries but Singapore), United Nations

*Numbers for Canada, Ireland, Luxembourg and New Zealand from 2016.

  この調査結果の一部をツイッターに投稿したところ、オタワの19位はあまりにも評価が高いとか、ソウルの77位は低過ぎるとか、あるいは上位に並ぶ都市の多くは退屈だとか、調査結果にあきれた人々との楽しいディスカッションができた。

  多くのコメントをもらったが、フーバー研究所のエコノミストでポッドキャストでも知られているラッセル・ロバーツ氏は「米国の各都市が生活の質がそんなに低いのなら、世界中からとても多くの人が米国に移住しようとしているのはなぜか」という問いを投げ掛けた。

  いい質問だ。ただ、世界中の人々が他のリッチな国ではなく米国に移り住みたくて仕方がないとの認識は間違いだ。外国生まれの住人の割合が米国より大きい国は多い。オーストラリアとカナダ、ドイツ、英国を合わせると人口は米国の3分の2ほどだが、2010-16年の移民受け入れは米国より23%多かった。

Still a Lot More Coming Than Going

Number of immigrants from a country in U.S., and in that country from U.S.

Sources: Pew Research Center, United Nations Population Division

  第2次世界大戦以降、米国は世界の文化や経済、軍事、政治、科学技術の中心となっている。他の豊かな国に生まれながら米国に住むことになった人の多くにとってはこれが移住の理由だ。しかし、米国のそうした存在感は今、低下しつつある。購買力平価(PPP)に基づけば、中国の経済規模はすでに米国を上回る。グローバルな政治における米国の役割縮小を積極的に唱えているのは他ならぬ米国の現職大統領だ。そういうわけで、世界の人々を引き付ける米国の力はこの先弱まるかもしれず、移住を考える人々が行く先を決める上で生活の質がより重視される可能性はある。

  マーサーの調査は、世界を渡り歩く企業幹部やプロフェッショナルのためのものだ。これらの人々にとって米国がそれほど住みやすくないという意味で、同社の番付は正しいと思われる。空港は素晴らしいというわけでもなく、入国・通関も厄介だ。ヘルスケアや就学、税金についてもやたらと複雑な場合があるほか、銃で撃たれるリスクもある。全体として、米国は非常に豊かな国にしては、生活の質を測る大半の客観的指標で評価が低い。とはいえ、何を最優先するかは人それぞれだ。

  経済協力開発機構(OECD)の「べターライフ指数」は面白い。最重要視するメトリクスをユーザーが選ぶことできるのだ。例えば所得と住宅の指標に最大のウエートを置けば、米国はOECD加盟国中トップ。一方、仕事と私生活のバランス、安全性を重視すれば14位になる。

  移民を自国の労働力と社会に取り込んでいくという点で、米国は(非の打ちどころがないというにはほど遠いととしても)よくやってきた。欧州大陸にはそうした実績を残しているとは言えない国もあり、これからも多くの人々が米国への移住を望むことになるだろう。もちろん、だからと言って、米国は二流だとする専門家の判断を無視していいということにはならない。

  (ジャスティン・フォックス氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストで、ビジネスを担当しています。ハーバード・ビジネス・レビュー誌の編集ディレクターだった経歴もあり、タイム誌とフォーチュン誌、アメリカン・バンカー紙向けに執筆していました。著書には「合理的市場という神話-リスク、報酬、幻想をめぐるウォール街の歴史」があります。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:America Is Awful and Everyone Wants to Move Here: Justin Fox(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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