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日銀、長短金利操作の影響は限定-マネーと物価の分析必要

  • 大方の委員は「強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが適切」
  • 一部で指摘されている緩和限界論に反論していく必要あるとの発言も
日銀の黒田総裁

日銀の黒田総裁

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
日銀の黒田総裁
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本銀行の政策委員の間から、長短金利操作が物価に及ぼす影響は限定的で、現在の金融緩和策と物価との関係についてさらなる分析と検討が必要との声が出ていたことが20日公表された1月22、23日の金融政策決定会合の議事要旨で分かった。

  ある委員は長短金利操作について「実質金利を低位に維持することで実体経済の拡大に一定程度貢献している」が、物価や予想物価上昇率への影響は「これまでのところ限定的」との認識を示した。その上で、長短金利の水準やマネタリーベースと物価上昇率などの関係について「さらなる分析と検討が必要」と指摘した。

  日銀は13年4月、黒田東彦総裁の下で、約2年を念頭に2%の物価目標の達成を目指して異次元緩和を開始。累次の追加緩和を行ったが、足元の物価上昇率は1%に満たず目標は遠い。16年9月に金融調節の操作目標を量から金利に変える長短金利操作を導入。同時に、消費者物価指数(除く生鮮食品)前年比が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続すると表明した。

  先に公表された同会合の主な意見で「長短金利の水準あるいはマネタリーベースと物価上昇率等の関係について、さらなる分析と検討が必要」との主張が掲載され、発言者が一段の金融緩和を求めるリフレ派なのか、正常化を志向する委員なのか、金融市場の一部で憶測を呼んでいた。

  同会合では、大方の委員は「強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが適切」との認識を共有した。しかし、ある委員は「状況の変化に対しては追加緩和を含めて迅速、柔軟かつ断固たる対応を取る姿勢を強調するとともに、一部で指摘されている緩和限界論に反論していく必要がある」と発言。複数の委員は「経済・物価情勢が大きく悪化するような場合は政府との政策連携も一段と重要になる」と述べた。

  これに対してある委員は、不確実性の高い状況の下で急いで政策を変更すると「かえって金融不均衡の蓄積や実体経済の振幅拡大につながるリスクもある」と言明。十分に情報を収集・分析した上で、「その時々の状況に応じて適切に対応していくことが大事である」との認識を示した。

  10月の消費増税については、一人の委員が「消費税率引き上げと教育無償化政策という制度変更を一つの政策対応として捉えると、物価に対する影響は比較的軽微にとどまる」と指摘。特定の要因を見通しから除外する扱いは「限定的とすることが望ましい」と述べた。その上で、委員は「今後は基本的には両方の影響を織り込んだ見通し計数を中心に説明していくことが考えられる」との認識を共有した。

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