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日銀内で21年度の2%達成厳しいとの見方、4月展望リポート

  • 「もう少し考えを柔軟にやってもおかしくない」-麻生財務相
  • 2%目標変更の必要があるとか変更が好ましいと思わない-黒田総裁
黒田東彦総裁

黒田東彦総裁

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
黒田東彦総裁
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本銀行は4月末に2021年度の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)前年比の見通しを新たに示すが、物価目標として掲げる2%を達成するのは21年度も厳しいとの見方が日銀内の一部で出ている。複数の関係者への取材で明らかになった。

  日銀は4月24、25両日の金融政策決定会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定し、見通し期間を1年延長し21年度までの経済、物価見通しを示す。複数の関係者によると、21年度の物価見通しについてはまだ正式な議論が始まっていないが、日銀内の一部の関係者は、物価が上がりにくい状況が続いていることから21年度も2%に達するのは難しいとみている。

消費者物価指数の前年比推移

  日銀は13年4月、黒田東彦総裁の下で、約2年を念頭に2%の物価目標の達成を目指すとして異次元緩和を開始。累次の追加緩和を行ったが、足元の物価上昇率は1%に満たず目標は遠い。達成時期は6回先送りされ、昨年4月に公表自体を取りやめた。超低金利政策が長期化する中、金融機関経営への影響など副作用が累積しており、異次元緩和への批判的な声が強まる可能性もある。

  麻生太郎財務相は12日の国会答弁で、2%物価目標は「もう少し考えを柔軟にやってもおかしくないのではないか」と言明。15日の記者会見では「2%にこだわり過ぎると、そちらの方がおかしくなる点は考えておかねばならない」と述べた。日本商工会議所の三村明夫会頭は7日のインタビューで、「弊害もいろいろ出てきている」として、2%にこだわらずより柔軟な政策運営を行うべきだとの考えを示した。

  黒田総裁は15日の記者会見で、2%物価目標を「変更する必要があるとか、変更することが好ましいとは思っていない」との考えを表明。一方で、達成時期については「長期にわたる低成長やデフレの経験などを踏まえると、物価上昇率が高まるには相応の時間かかる可能性がある」との見方を示した。

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  1月時点のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)は19年度が1.1%上昇、20年度が1.5%上昇。実質成長率は19年度0.9%増、20年度1.0%増と潜在成長率並みで、経済、物価とも「下振れリスクの方が大きい」としていた。日銀は15日の金融政策決定会合で、景気の総括判断について「緩やかに拡大している」との従来の表現に、「輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられる」との文言を加えた。

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