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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日銀会合注目点:景気判断の下方修正、景気後退の可能性、緩和手段

  • エコノミスト46人に行った事前調査では全員が現状維持を予想
  • 年内の追加緩和の可能性は50%に近付いていると木内前審議委員
Traffic travels past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Monday, March 11, 2019. An increasing number of economists see additional stimulus as the BOJ’s next policy step, while they are unanimous in forecasting no change at this week’s board meeting.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行は15日の金融政策決定会合後に政策運営方針を発表する。金融政策は現状維持が見込まれており、世界経済の先行き不透明感が強まる中、景気判断を下方修正するかどうかが焦点となる。日本経済は景気後退局面に突入したのか、日銀に有効な追加緩和手段は残されているのか、黒田東彦総裁が示す見解に関心が集まる。

  ブルームバーグがエコノミスト46人に行った事前調査では全員が現状維持を予想した。次の政策変更は追加緩和との予想は17人(37%)と1月の前回調査(18%)から倍増した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止に続き、欧州中央銀行(ECB)は7日、年内の利上げ見送りと新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)の開始を決めた。日銀の追加緩和への期待も徐々に強まっている。

  内閣府は1月の景気動向指数(一致指数)の基調判断を景気後退局面に入った可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に引き下げた。複数の関係者によると、日銀は今会合で海外経済、輸出、鉱工業生産の現状判断を下方修正するかどうか議論する見通しだ。

  日銀は1月の決定会合で、海外経済は「総じてみれば着実な成長」が続いており、輸出、鉱工業生産とも「増加基調」にあるとの判断を示した。その後公表された1月の輸出は前年比8.4%減と2カ月連続で減少。日銀が算出する実質輸出も前年比5.3%減と2年ぶりの水準に落ち込んだ。特に中国向けの落ち込み(7.7%減)が目立った。同月の鉱工業生産指数は前月比3.7%低下と3カ月連続で前月を下回った。

  前審議委員の木内登英野村総研エグゼクティブ・エコノミストは8日付リポートで、FRB、ECBに続き「次は日銀の追加緩和の番だ」との観測が生じているが、今会合で本格的な追加緩和が決まる可能性は「なお低い」とみる。ただ、「年内にも追加緩和を実施する可能性は50%に近付いているようにも思える」としている。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  会合は従来、総じて正午から午後1時の間に終了している。黒田総裁は午後3時半に記者会見する。 

注目点
理由
景気判断の下方修正1月の決定会合では、海外経済は「総じてみれば着実な成長」が続いており、輸出、鉱工業生産とも「増加基調」にあると判断
景気後退の可能性内閣府は1月の景気動向指数(一致指数)で、基調判断を景気後退局面に入った可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に引き下げた
追加緩和の手段片岡審議委員は2%物価目標の早期達成は「金融政策だけではなかなか難しい」と言明。目標の早期達成のために「今、もっと大胆なことをやるべきだ」と述べた

前回の決定内容

  • フォワードガイダンス「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」
  • 長期金利(10年物国債金利)の誘導目標は「0%程度」、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得る
  • 短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」
  • 長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどは「約80兆円」
  • 指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れは年間約6兆円、市場の状況に応じて上下に変動し得る、不動産投資信託(J-REIT)買い入れは同900億円
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