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米10年債のタームプレミアムがマイナス-ウォール街は理解に努める

  • 元連邦準備制度のスタイン、ダドリー両氏は悲観に反論
  • ゴールドマン、ドイツ銀のストラテジストも分析

債券市場は何を告げているのか。ウォール街の永遠の問いだが、気まぐれな市場に振り回され米経済がどこへ向かっているのかと皆が首をひねっている今は、特にその答えが求められる。

  議論の焦点はタームプレミアムだ。長期債を保有するリスクに見合う上乗せ利回りであるタームプレミアムはこのところマイナスとなり、米経済の成長減速が一時的な現象ではないことを示す不吉な前兆だとの悲観論をあおっている。

  しかし、米連邦準備制度の元当局者ジェレミー・スタイン、ウィリアム・ダドリー両氏は、タームプレミアム低下はインフレの弱い環境や、株式相場上昇の中で長期米国債が株式投資家の自然なヘッジ手段になっていることによるものだと指摘する。

  バーナンキ元連邦準備制度理事会(FRB)議長によれば、タームプレミアムとは短期債をロールオーバーし続ける代わりに長期債を買う投資家が、インフレや受給ショックなどの予測不能なリスクから資産を守るための安全マージンだ。

  元FRB理事で今はハーバード大学教授のスタイン氏は、歴史的に衝撃は「インフレから来るものだったので、タームプレミアムは大きかった」と指摘。昨年までニューヨーク連銀総裁を務め、現在はプリンストン大学教授のダドリー氏は、タームプレミアムの長期にわたる一貫した低下は、金融当局がインフレの脅威に打ち勝った結果だと考える。

  スタイン氏はまた、「今は、長期債が株式に対する良いヘッジだと考えられている」と述べた。

 

A negative term premium might not be as ominous as some warn

  10年物米国債のタームプレミアムは先月、マイナス0.72ポイントまで低下した。エバコアISIのドゥニ・デブシェール氏は、タームプレミアムの大幅なマイナスは名目成長率についての悲観論を反映していると分析する。

  一方、ゴールドマン・サックス・グループのプラビーン・コラパティ氏とドイツ銀行のビンキー・チャドハ氏の両ストラテジストは、タームプレミアムは一部のモデルが示すほど低くはないのではないかとの見方だ。

  ゴールドマンのモデルによると、タームプレミアムはマイナス0.3ポイントだという。マイナス幅は米連邦準備制度のACMモデルが示唆する半分だ。ACMの前身のモデルを共同設計したジョナサン・ライト・ジョンズ・ホプキンス大学経済学教授は「これらのモデルは中立金利というものが一定だという考えに基づいている」が、「危機後には中立金利がより低くなったことを示す証拠が多数ある」と述べた。

原題:Wall Street’s Got It All Wrong When It Comes to U.S. Bond Market(抜粋)

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