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レーザーテック社長:40億円の半導体検査装置、夏に追加受注も

更新日時
  • 6月までに4台を受注見込み-微細化に不可欠なEUVL技術に対応
  • 「他社は参入できない。当社が業界標準になっている」

半導体検査装置メーカーのレーザーテックの岡林理社長(60)は、半導体の微細化が進む中、極端紫外線リソグラフィ(EUVL)と呼ばれる技術を採用する半導体メーカーが増加するとみて、同社のEUVLに対応した新製品の受注拡大に自信を示した。

  岡林社長は6日のインタビューで新製品について、今期末(2019年6月期)までに4台(1台約40億円)を受注の見込みと説明した。製造に約2年かかり、納入は来期以降となる。「EUVL量産が始まり、早ければ夏から秋にかけて追加受注があると期待している」とした上で、「他社はペネトレート(参入)できない。当社がインダストリアルスタンダード(業界標準)になっている」と述べた。

Lasertec's EUV mask blank inspection and review system

レーザーテックのEUVマスクブランクス欠陥検査・レビュー装置

Source: Lasertec Corp.

  レーザーテックは回路焼き付けに使うマスクと呼ばれる部材の欠陥検査技術に強みを持ち、マスクの材料となるマスクブランクスの検査装置ではシェア100%を握る。EUVL用のマスクブランクスを製造するHOYAAGCに検査装置を販売するほか、ブルームバーグのデータによると、台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン電子、インテルとも取引がある。

  岡林社長は、写真で例えるとネガフィルムに相当するマスクは「パーフェクトでなければならず、検査装置は欠陥を必ず見つけなければならない」と話した。

  社員332人(18年6月時点)の6割を開発エンジニアが占め、装置製造は協力会社に委託するファブライトが経営の特長。創業は1960年だ。今期は売上高で前期比32%増の280億円、営業利益で同14%増の65億円とそれぞれ過去最高を見込む。

  国際半導体製造装置材料協会は、19年の半導体製造装置販売額は前年比4%減の596億ドル(約6兆6000億円)と予想する。ただ中長期的に次世代通信規格「5G」対応のスマートフォンや人工知能(AI)向けに微細化された半導体の需要は上向くとの見方が根強く、サムスンとTSMCは今年、EUVLを使って量産を始める。

  レーザーテックの株価は年初から4割強上昇し4000円付近で推移しており、昨年3月に付けた上場来高値の4715円に接近している。

  楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストは、半導体の微細化競争の中で、TSMCやサムスンの設備投資の増加が今後予想されることに注目し、「5ナノメートルの設備投資はまだ本格化しておらず、レーザーテックの業績はまだまだ上がるだろう」と指摘した。

  岡林社長は、これまではパソコン(PC)やスマホの需要動向に大きく左右される場面もあったが、今後はAIやモノのインターネット(IoT)、5G向けなどニーズの多様化で「半導体の需要は複数のアプリケーションで伸びる」とし、検査装置の重要性も高まるとの認識を示した。

  12日の日本株市場でレーザーテックの株価は買い気配で始まり、取引成立後は一時前日比6%高の4360円と大幅続伸した。

(文末に12日の株価情報を追記します.)
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