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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日銀は2%物価目標にこだわらず柔軟な金融政策を-三村日商会頭

  • 2013年からの異次元緩和の長期化で「弊害もいろいろ出てきている」
  • 企業が設備投資や賃上げを行うインセンティブを削いでいる可能性も
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan, on Wednesday, Sept. 13, 2017. The BOJ\'s next monetary policy meeting is scheduled for Sept. 21. The central bank pushed back in July the projected timing for reaching its 2 percent inflation target for the sixth time as economic growth failed to drive price gains.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本商工会議所の三村明夫会頭は、日本銀行による異次元緩和について、2%の物価安定目標にこだわらず、より柔軟な政策運営を行うべきだとの考えを示した。

  三村会頭(78)は7日のインタビューで、日銀が黒田東彦総裁の下で2013年4月から実施している異次元緩和について「非常に効果があった」と評価する一方で、長期化に伴い「弊害もいろいろ出てきている」と指摘。「もうそろそろ2%物価上昇にこだわらない、もう少し柔軟な金融政策をとってほしい」と述べた。

Japan Chamber of Commerce and Industry Chairman Akio Mimura Interview

日本商工会議所・三村明夫会頭

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  具体的な弊害としては、超低金利の長期化で中小企業の資金繰りを支える地域金融機関の経営悪化を招いていることや、国債の発行コスト低下で政府の財政規律を緩めていることに加え、企業が設備投資や賃上げを行うインセンティブ(動機)を削いでいる可能性があることを挙げた。

  三村会頭は、企業経営者が「現金を無駄に寝かしておくことは怠慢だ」とし、企業が成長を目指すには設備投資や従業員への還元、資金運用など「何らかの使途を考えるべきだ」と指摘。超低金利で現金保有コストが低下しているため現実には企業内部に現金が積み上がっており、成長機会を追求する「インセンティブを失わせる。この意味でも経済活動には悪影響を与える」と述べた。

  政府と日銀が2%物価目標と財政再建を掲げた共同声明を発表してから6年。追加緩和を重ねても目標に達せず、財政再建も進んでいない。米中貿易摩擦、中国経済の減速、英国の欧州連合(EU)離脱問題など世界経済を巡る不確実性が高まる中、経済協力開発機構(OECD)は6日、世界の成長率見通しを3.5%から3.3%へと再び下方修正した。

純利息収入の継続的な低下に直面

  三村会頭は、金融政策の正常化について「先行きに対する不安が高まっており、足元ではなかなか難しい」としながらも、累積している副作用と「どうバランスさせて次の手を打っていくのか。これは非常に難しいことで、黒田総裁に同情するが、いつか考えなければならない」と語った。

  さらに、アベノミクスで「『現在の幸せ』は確保できたが『将来不安』は払拭(ふっしょく)されていない」とし、その払拭に軸足を移すべきだとの考えを示した。人口減少社会で一人一人の生産性向上が喫緊の課題だが、日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)は世界27位で低いと指摘。政策目標として「1人当たりGDPという概念を入れたらいいのではないか」と述べた。

  日本商工会議所は、日本企業の約3分の1にあたる125万の会員企業を持つ商工会議所の全国組織。三村氏は1963年に富士製鉄入社、八幡製鉄との合併で誕生した新日本製鉄(現新日鉄住金)の社長、会長を務めた。財界では経済同友会副代表幹事、日本経団連副会長を歴任し、13年11月に日商と東京商工会議所の会頭に就任した。

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