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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

米欧金融当局が利上げに「白旗」、古き良き時代への回帰険しく

  • 緩和策巻き戻しで困難に直面-米連邦準備制度とECB
  • 金利は低くバランスシートは巨大、手詰まり感否めず
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan, on Wednesday, Sept. 13, 2017. The BOJ\'s next monetary policy meeting is scheduled for Sept. 21. The central bank pushed back in July the projected timing for reaching its 2 percent inflation target for the sixth time as economic growth failed to drive price gains.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

米欧のセントラルバンカーは、従来よりも低い金利と大きく膨らんだバランスシートという、日本が長年経験してきた「ニューノーマル(新常態)」を甘受しつつある。

  欧州中央銀行(ECB)は7日、景気悪化に伴い緩和策巻き戻しの計画に狂いが生じたとして、少なくとも年末までの金利据え置きと、銀行向けの新たな資金供給策の導入を発表した。米連邦準備制度はすでに1月、金利据え置きを決めるとともに、約10年前の金融危機対策として積み上げた現行で4兆ドル(446兆円)規模のバランスシートについて、縮小終了の方針を明らかにした。

  サマーズ元米財務長官とイングランド銀行(英中銀)のシニアエコノミスト、ルーカス・レイチェル氏は7日、ブルッキングズ研究所で紹介された調査リポートに、「超低水準の均衡金利が半恒久的な特徴であるかのような日本の経験を、他の先進国・地域が繰り返す恐れがある」と記した

  ECBと米金融当局の最新の措置を受け、これまで常識とされてきた状態に政策を戻そうとする当局の取り組みが終わり、次の動きは引き締めではなく緩和となるのではないかとの観測が台頭した。

  米欧の当局者は、人口高齢化や生産性の伸び悩みを背景とした経済の低成長、持続的な低インフレといった、日本が過去数十年間にわたり苦悩してきた問題に取り組みつつある。

U.S. inflation has missed Fed's 2% target for 7 years

  こうした長期的な課題を一層複雑にしているのは直近の問題だ。具体的には、通商摩擦を巡る懸念や中国でのレバレッジ解消を契機に、製造業を中心とした世界的な成長鈍化が見られる点が挙げられる。

  先の金融危機が2009年に収束して以降、不安定な局面はこれまでも何回かあったが、いずれも一過性のものだった。金融当局者は今回もそうなるよう期待している。一時的な不振であれば、緩和策の巻き戻しを再開することは可能だ。

  そうでない場合、超低金利と巨大なバランスシートを抱えた金融当局には、今後新たなリセッション(景気後退)に見舞われても、対応のための弾薬がほとんど残されていないことになる。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のマネジングディレクター、アンドルー・ボソムワース氏は「日本で20年前に起きたことがユーロ圏で現在繰り広げられている可能性が強い。長期的、おそらく恒久的な利回り低迷という、資本市場の『日本化』を意味するのではないか」との見方を示した。

  国際決済銀行(BIS)のクラウディオ・ボリオ氏は、今後の展開を予測するのがますます難しくなっていると話す。金融経済局長を務めるボリオ氏は「金融引き締めプロセスは停止され、予想しにくくなった」と指摘。「政策正常化に向けた狭い経路は曲がりくねったものであるようだ」と語った。

原題:Biggest Central Banks Fold on Returning Rates to Good Old Days(抜粋)

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