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ハワイ路線で競争激化-ANA、超大型機A380導入でJALに挑む

  • 5月就航のA380にはカウチシートや個室型ファーストクラス
  • JALは65年のハワイ線実績、ハワイアン航空や西武HDと連携

ANAホールディングス(ANAHD)は国内航空会社唯一の保有となる欧州エアバスの超大型旅客機「A380」のホノルル線導入を切り札に、リゾート地として人気の高いハワイ路線でシェア最大の日本航空(JAL)に挑もうとしている。

  ANAHDの片野坂真哉社長は2月の会見で、「A380の3機全てをハワイ路線に導入して、マーケットシェアの面で優位に立つ」と宣言。傘下の全日本空輸(ANA)は5月24日から順次、同型機を成田-ホノルル線に就航させることを予定している。

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ANAがハワイ線に導入するA380

  2018年4-9月期の国内空港とハワイを結ぶ路線のシェアはJALの33%に対し、ANAHDは14%と劣勢。JALは25%のシェアを持つ米ハワイアン航空と共同運航を実施しており、両社を合わせると58%となる。

  ANAが投入するA380は全520席とし、同社のハワイ線で初の個室型ファーストクラスも8席提供する。また、国内では初めて横になれるカウチシートをエコノミークラスで採用するなど、独自のサービスで顧客獲得を狙う。

  政府観光局の統計によると、18年に日本からハワイを訪れたのは前年比0.2%増の157万1298人と3年連続の増加。JTB総合研究所が日本人を対象に昨年実施したアンケート調査では「制約がなければ本当に行きたい国(地域)」で、ハワイはトップとなっている。

  ANAの平子裕志社長は2月の会見で、ハワイ線へのA380就航の成功見込みについてTVコマーシャルなどの宣伝効果で「認知度は上がっている」と指摘。19年4-9月期の予約数は2月時点で前年同期比で40%を超える増加となっているとし「非常に手応えを感じている」と述べた。好調のけん引役となっているのがカウチシートで、親子連れの旅客に受け入れられているようだと話した。

  エアバスは2月、世界最大で唯一の2階建て旅客機A380の製造を21年に打ち切ると発表。超大型機の活用は難しいと航空各社が判断していることが背景にある。ANAHDは生産打ち切りについて、エアバスからの事前説明もあり長期の部品供給などについては不安はないとしている。

ホノルル空港に自社ラウンジ

  シェア拡大に向け、同社は機材だけでなく空港施設でも準備を進めている。ハワイ・ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に、同社として唯一の海外空港での自社ラウンジを設置する。

  航空経営研究所の橋本安男主席研究員は、ANAのCMや宣伝の効果で少なくとも数年間はハワイ便の好調が続くと予想する。一方で、500席を超える座席数を「年間を通じコンスタントに埋めるのは容易ではない。ANAの営業力の真価が問われる」と指摘した。

  さらに「ハワイ路線はJALがANAに対し優位を保っている数少ないメジャーな路線。シェアを逆転できなくても、JALのシェアを一部でも奪うことには2社間の競争において大きな意味を持つ」との認識を示した。

  2月でハワイ線就航65周年を迎えたJALも手をこまぬいているわけではない。同社は昨年3月、ANAと提携していたハワイアン航空を自陣営に引き込んで提携することで合意。JALの赤坂祐二社長は2月の会見で、ハワイアン航空はオアフ島以外の離島路線も多く運航するほか、17年にはJAL自身もハワイ島のコナ直行便を約7年ぶりに復活させており「ホノルルだけでなく、ハワイ全域で対抗する」方針を示した。

  その上で、赤坂氏は「全日空が需要を創出することは、JALにも大きなメリット」とし「互いの特長を生かしてハワイ路線をもっと太くしていく」と述べた。同社は2月、ハワイでホテルを含むリゾート事業を運営する西武ホールディングスと商品の共同開発などで合意。第1弾として、同社所有のハワイ島のホテルでアウトドア体験型のサービスを計画している。

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