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Photographer: Bloomberg/Bloomberg
Cojp

ECB、経済見通し大幅下方修正-景気刺激で追加措置

  • ユーロ圏経済成長とインフレ率予想を下方修正、19年成長1.1%
  • 条件付き長期リファイナンスオペ再開へ、金利ガイダンスを変更

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、量的緩和(QE)プログラム導入以降で最も大幅な経済予測の下方修正を発表した。成長てこ入れに向けた新たな措置も明らかにした。

  ECBは最新の経済予測で、2019年のユーロ圏経済成長見通しを1.1%と、昨年12月時点の予想から0.6ポイント引き下げた。新たな市中銀行向け長期資金供給プログラムや政策金利据え置きの期間延長を含むパッケージを打ち出し、この意図はECBによる既存の景気支援を拡大することにあるとドラギ総裁は説明した。

ECB最新の経済予測
  • 2019年の成長率予想は1.1%、従来1.7%
    • 20年は1.6%に引き下げ、従来1.7%
    • 21年は1.5%で据え置き
  • インフレ率予想はすべて下方修正
    • 19年は1.2%に引き下げ、従来1.6%
    • 20年は1.5%、従来1.7%
    • 21年は1.6%、従来1.8%
  • 関連記事:ECB、成長とインフレ見通し引き下げ-「大幅な」修正とドラギ総裁

  「地政学的要因と保護主義の脅威、新興市場の脆弱(ぜいじゃく)性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ」とドラギ総裁は記者会見で語った。「ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」と述べた。

  ECBは債券購入プログラムの終了からわずか3カ月後に、再び景気刺激措置へとかじを切った。危機時代の措置の解除に着手しようとしていたところだったが、輸出依存型の欧州経済が貿易摩擦と中国の景気減速、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不確実性に屈した。

  ドラギ総裁によると、当局者らは経済が最新予測に沿って展開することに自信を示し、ユーロ圏経済がリセッション(景気後退)入りする確率は「極めて低い」と考えている。総裁は賃金上昇と、雇用市場および消費の改善は「総じて良好な状態」を維持していると指摘した。

  7日に発表された措置の決定は全会一致だったと総裁は述べた。今回のパッケージで政策姿勢はより緩和的になり域内経済の耐久性は増すとしながらも、ECBの選択肢は限られていると強調。保護主義や英EU離脱問題を中銀が解決することはできないと語った。

ドラギECB総裁は記者会見で、ユーロ圏経済やインフレの見通しなどを話した(7日)

Source: Bloomberg)

  ECBはいずれ行動するとみられていたが、7日に発表されたのは予想外だった。政策委員会メンバーらの景気に対する懸念の深さが示唆される。

  ECBがこの日発表した中で最も重要な動きは、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)の再開だ。ECBはリファイナンスオペの最低応札金利に連動した金利で2年物の資金を供給する。前2回のTLTROと同様に、与信環境を良好に保つためのインセンティブがプログラムに組み込まれている。

  政策金利については少なくとも年末まで過去最低の現行水準にとどまると表明。従来のガイダンスから据え置きの期間を数カ月、延長した。総裁によると、20年3月までの据え置きを主張したメンバーもいた一方、マイナス金利が銀行収益に及ぼす悪影響を指摘する声もあった。

原題:Draghi Slashes ECB Outlook as Officials Inject More Stimulus(抜粋)
Draghi Slashes ECB Outlook as Officials Inject More Stimulus (1)

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