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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

金融庁はCLO新規制を来週にも公表、「深度ある分析」求める

更新日時
  • 所定条件満たすと確認できなければリスクウエート3倍に引き上げ
  • 告示改正は国際的合意に基づき、日本の新規制に注目集まる
Two pedestrains walk past the Financial Services Agency (FSA) headquarters in Tokyo, Japan, on Tuesday, Feb. 13, 2018. Cryptocurrency exchange Coincheck inc., which lost about $500 million to hackers last month, faced a deadline Tuesday to explain how the hack occurred and plans for improving its security to regulators at Japan's FSA.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

金融庁は、金融機関がローン担保証券(CLO)など証券化商品を保有する際の新たな規制について、適用除外とする条件として買い手自身が資産のサンプル調査を実施するなど「深度ある分析」を求める見通しであることが7日、分かった。新規制は3月末に導入予定で、政府関係者によると、来週をめどに改正した告示を公表する。

  公表済みの改正案によれば、新規制は銀行や大手証券などが証券化商品を購入する場合、当初債権者が5%以上を保有するなど所定の条件を満たしていると確認できなければ、規制当局がリスク度合いを示すために保有資産ごとに設定する「リスクウエート」を通常の3倍に引き上げる内容。この値が高い資産は自己資本比率の圧迫要因となるため、購入が難しくなる。

  告示改正は国際的合意に基づくもので、米国では、裁判所が原資産自体が市場で取引されているCLO(オープンマーケットCLO)であれば一律に国内規制に抵触しないとの判断を下しているが、欧州では日本の改正案同様、投資家に当初債権者が5%以上を保有していることなどを確認するよう求めており、オープンマーケットCLOを無条件に購入することはできない。

  このため、日本の規制がどの程度厳しいのかに注目が集まっていたが、改正案で特定の商品などを一律に適用除外とする運用は行わないことを示した。金融庁は現在、利害関係者から寄せられた意見を参考に、緩和条件などをある程度明確化するための想定問答集を追加する作業に入っている。  

主要な投資家

  ブルームバーグが入手した資料や政府関係者の話によると、米国のオープンマーケットCLOのように当初債権者の5%保有が義務付けられていない商品の場合、国内金融機関は「深度ある分析」によって原資産が適切かどうか判断できれば適用除外とする。

  具体的には、商品の外部格付けや原資産の市場価格などの外形的な価値判断に加え、当初債権者のローンの審査基準や貸し手保護のためのローン契約のコベナンツ(財務制限条項)の精査などを求める。

  一方で、こうした精査が難しい場合は、原資産のサンプル調査などで裏付け資産となる債権の適切な取得や入れ替えが行われているかどうか確認することを求め、さらに合理的なシナリオに基づくストレステストによるリスク分析を行うことが望ましいとの基準を示している。

日本勢が主要な一角

  日本の金融機関は欧米のCLO市場で主要な投資家の一角を占めている。スタンダード・アンド・プアーズのマネジングディレクター、スティーブン・アンダーバーグ氏は、昨年米国で発行された最上位(AAA)格付けのCLOの半分から3分の2を日本の金融機関が購入したとみる。

  金融庁の調査によると、大手金融機関の中では農林中央金庫、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ゆうちょ銀行のCLO保有残高が大きいという。

  マネックス証券の大槻奈那チーフアナリストは、こうした大手金融グループは「人員が手厚く、取引実績も長いため、新規制の要求を満たすのはそんなに難しいことではないかもしれない」と述べる一方で、地銀や信金などがCLO投資を検討したとしても「そこまで深度ある分析を行うことは難しいだろう」とみている。

  金融庁の担当者は告示について、具体的な公表日は現時点で未定とした上で、3月末の適用を予定しており早いタイミングで公表できるよう作業を進めているとした。

(第8段落にアナリストのコメントを追加します.)
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