コンテンツにスキップする
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

消費増税は景気後退させ物価を引き下げる可能性-原田日銀委員

更新日時
  • 前回増税より影響は「小さくなる」が「需要減少は物価を抑制する」
  • 2%目標の長期的達成も困難になればちゅうちょなく緩和強める必要
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stand in Tokyo, Japan, on Friday, Jan. 4, 2019. Japan's benchmark bond yield fell to the lowest in more than two years on Friday as a stronger yen and a slowdown in global manufacturing spurred demand for the assets as a haven.
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

日本銀行の原田泰審議委員は6日、甲府市内で講演し、10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて、景気を後退させ物価を引き下げる可能性があるとの見方を示した。

  原田委員は消費増税が「景気を後退させ、需要減が物価を引き下げる可能性がある」と述べた。引き上げ幅が2%と小さいことや軽減税率の適用、教育無償化などにより、2014年度の前回増税時より影響は「小さくなる」としながらも、「需要の減少は当然に物価上昇を抑制する」と指摘した。

  その後の会見では、前回の消費増税で景気は一時的に悪化したが景気後退には陥っていないため、今回の消費増税後も「景気後退になるとは考えてない」としつつも、「やはり大きな影響があるかもしれない」との見方を示した。その上で、消費増税の是非について「政府が必要な財政支出を得るためにやっていることなので、私の立場でどうこういうことはない」と語った。

  1月の輸出鉱工業生産指数が大きく落ち込むなど、景気の先行き不透明感が強まっている。複数の関係者によると、日銀は14、15両日開く金融政策決定会合で、「総じてみれば着実な成長」が続いているとしている海外経済や、「増加基調」にあると判断している輸出、生産の現状判断を下方修正するかどうか議論する見通しだ。

  原田委員は「景気の下方リスクが高まっていることは事実」としながらも、「今、景気後退になるとは考えていない」と述べた。ただ、景気が悪化し物価が一時的ではなく下落するというリスクが顕現化すれば「必要な手段を取る」と言明。景気の悪化に対して金融政策で対応しなければならないということについて「政策委員の間に意見の不一致があるとは考えていない」と語った。

  講演では物価について、教育無償化や携帯電話料金の引き下げも「当然に2%の物価上昇率目標の達成を遅らすことになる」と指摘。足元の物価の停滞が予想物価上昇率の停滞をもたらし、「物価上昇をさらに遅らすというリスクはある」とした上で、景気が悪化し2%物価目標の長期的達成も困難になるようなことがあれば「ちゅうちょなく金融緩和を強めることが必要」と語った。

(3段落以降に会見での発言を追加して更新しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE