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米国と中国の通商協議、次の争点は為替政策か

  • トランプ米大統領、週末の演説で強いドルとFRBへの批判を再開
  • 元相場の安定維持は容易ではなさそうだ-MUFGバンクのタン氏

米中両国は20年近くにわたり経済協議を難航させてきた通貨に関する意見相違の解消に少しずつ近づきつつある。唯一の問題はその合意がどれだけ有意義になるかだ。

  中国による人民元の安定維持という条項を盛り込むと予想される通商合意に向けて米中両国が前進する中、トランプ米大統領はドルの強さに視線を移している。

  トランプ大統領は2日、2時間にわたって行ったほぼ台本なしの演説で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を「利上げを好む」人物としてやり玉に挙げた。米財務長官が通貨政策を設定するにもかかわらず、トランプ大統領はパウエル議長を「非常に強いドルを好むジェントルマン」と指摘した。

  中国にとっては、ドル安の可能性は人民元の上昇につながり、景気減速の中で当局者に元高抑制を迫ることになる。そうなれば、トランプ大統領から遠慮ない批判が飛び出す恐れがある。トランプ氏は大統領選で、中国が輸出促進のため意図的に通貨安を誘導したと繰り返し批判していた。

  カーネギー国際平和財団元副会長のダグラス・パール氏は「トランプ氏は次の選挙を控え、財政政策や金融政策の影響の強まりに対処するため、ドル安を維持したい考えだ。だが、同氏に理由を聞いても、中国の通貨を言い訳にするだろう」と指摘した。

Off to Races

Yuan is best performer among Asia-Pacific peers vs dollar year-to-date

Source: Bloomberg

  中国経済の減速や、1980年代のプラザ合意のような過去の通貨協定からの教訓を踏まえると、元相場の安定を維持することは容易ではなさそうだと、MUFGバンクの世界市場調査の東アジア責任者、クリフ・タン氏は指摘。「景気の弱まりやクレジット問題で年内は元安になると引き続き考える」と述べた。

  中国政府は5日、全国人民代表大会(全人代)に提出した報告書で、今年の経済成長率目標を6-6.5%に引き下げるとともに、元相場の柔軟性拡大を認めつつ、合理的均衡水準で基本的に安定維持する方針を表明した。

原題:U.S., China Trade Deal Leaves Currencies as Next Fighting Ground(抜粋)

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