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ダラス連銀総裁:企業債務は米経済のリスクになり得る-景気下降なら

  • 企業と政府の債務増大すれば米経済は一段と金利に敏感になる可能性
  • 政府債務拡大すればインフラ支出など投資能力低下を意味する

米ダラス連銀のカプラン総裁は成長が鈍化した場合、米経済へのリスクになり得るとして、米企業債務に警告を発している。

  カプラン総裁は5日に発表した小論文で、「米非金融セクターの企業債務の対国内総生産(GDP)比率は、前回のピークだった2008年末を上回っている」と指摘。景気が下降すれば、こうした融資を巡る問題は「金融状況の悪化に拍車を掛け」得るし、「米経済成長の鈍化を一段と深刻にする可能性もある」と説明した。

  企業の債務増加に警告を発したのはカプラン総裁が最初ではない。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2月27日の議会証言で、借り手が既に高債務者であるレバレッジド・ローン(高リスクローン)市場の信用リスクが景気下降時に、システム全体に及び得るリスクではないものの、マクロ経済的なリスクを引き起こしかねないと指摘した。

  小論文の中でカプラン総裁は米レバレッジド・ローン市場を詳説。市中銀行から高債務企業への融資が増加しており、ローンはしばしば、リスク分散のためローンを束ねた証券化商品であるローン担保証券(CLO)を通じて銀行以外の投資家に販売されていると説明した。いわゆるシンジケーテッド・レバレッジド・ローン残高は18年末には1兆2000億ドル(約134兆円)に達した。08年時点では6000億ドルだった。

  カプラン総裁は「CLOは現在、こうしたシンジケーテッド・レバレッジド・ローンの最大の受け入れ先であるため、CLO組成が混乱すればレバレッジド・ローンが銀行のバランスシート上に残る可能性は高まり得る。そうなれば、今度はストレスがかかる時期に銀行の与信能力が制限されかねない」と説明した。

  またカプラン総裁は、投資不適格級の債務の伸びを「注意深く調べている」と述べた。

  同総裁は、「景気悪化の場合、高債務企業は信用の質低下にいっそうぜい弱となる可能性があり、これが設備投資や雇用計画にマイナスの影響を及ぼし得る」とも指摘した。

  またカプラン総裁は米政府債務にも言及。政府債務が増大すれば、「少なくとも、米経済の生産能力構築に寄与し得るインフラ支出などの投資能力が低下することを意味する」とし、「企業債務の拡大と米政府債務の高水準が相まって、米経済はかつてないほど一段と金利に敏感になりそうだ」と分析した。

原題:Fed’s Kaplan Warns About Corporate Debt Should Downturn Come(抜粋)

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