コンテンツにスキップする

米中貿易戦争の終結見込めず、両首脳が合意署名の場合でも-履行が鍵

  • 中国が求める関税撤回に関しては、米国側が譲歩するかどうか不明
  • USTR代表は中国の米産品購入拡大より知財権慣行の是正を重視
U.S. President Donald Trump's Second Day In Beijing
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
U.S. President Donald Trump's Second Day In Beijing
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

米中両国の通商交渉は合意に近づいており、トランプ米大統領と習近平中国国家主席は月内にも合意文書に署名する可能性がある。しかし、両首脳が合意に署名したとしても貿易戦争が終結するわけではない。

  米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は先週の議会公聴会で、中国に公約を確実に履行させるためのさらなる作業が残っていると述べた。その数日後、トランプ大統領は、米朝首脳会談と同じく、中国との交渉でもなお席を立つことがあり得ると警告した。

  米中交渉のポイントの最新状況は以下の通り。

U.S. Trade Representative Robert Lighthizer Testifies Amid Tariff Escalation

ライトハイザーUSTR代表

Photographer: Zach Gibson/Bloomberg

関税を撤回するか?

  中国はトランプ大統領が昨年、同国からの輸入品2000億ドル(約22兆3500億円)相当に課した追加関税の撤回を望んでいるが、大統領がその一部ないし全てを撤回するかどうかは依然はっきりしない。米国は2000億ドル相当の輸入品への追加関税の前に500億ドル相当の同関税を導入したが、中国はこれについても撤回を求める見通し。

  トランプ政権内では、追加関税の一部を温存しておけば米国は交渉力を維持できるという見方があり、合意初日に追加関税を撤回するのは賢明かどうか議論されている。

  米政権内には、中国が数カ月ないし数年後に全ての公約を履行した時点で関税を完全撤回すべきだとの主張もある。ライトハイザー代表は先週、たとえ最初に一部ないし大半の追加関税が撤回された場合でも、中国が通商合意を破ったなら履行メカニズムの一環として追加関税を復活させることができると話した。

公約履行メカニズム

  ライトハイザー代表は、米中両国がさまざまな政府レベルで定期的に協議を行い問題解決を図るよう義務付ける制度を設ける計画だと述べている。また、協議の進展に乏しい場合は米国は「相応」で「一方的」な措置で対応すると語った。関税賦課に言及したものと考えられる。

  トランプ政権のチームは、米国が一方的な措置を講じた場合でも、報復する権利を放棄するよう中国に要求。また、中国が世界貿易機関(WTO)に提訴しないことも求めている。中国がこの要求に応じたかどうかや、同国がどのような変更を求めているかは不明だ。

中国による米産品の大量購入

  ライトハイザー代表は、自身が「大豆の解決策」と呼ぶ米産品の大量購入だけにとどまらない合意を目指していると強調してきたが、まとまった規模の米産品購入の問題も交渉議題に上っている。

  中国は米産品輸入を6年間で1兆2000億ドル増やす案を提示しており、これが実現すれば米農業やエネルギー企業に恩恵をもたらすことになる。また、対中貿易赤字の縮小を公約してきたトランプ大統領にもアピールし、通商合意を促す見通しだ。

  トランプ大統領は1日、中国に対し、米農産品に対する全ての関税を直ちに撤廃するよう求めた。大統領はこの要求が報復関税に限ったものなのか、それともより広範囲のものなのか示唆しなかった。

  しかしライトハイザー代表とそのチームがより重視しているのは、中国の知的財産権慣行や、技術移転を米企業に強制する政策の構造的な是正だ。

原題:Trump and Xi Are Close to a Deal But the Trade War Isn’t Over(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE