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トランプ大統領、FRBたたきと強いドル批判で支持基盤にアピール

  • 大統領は過去数週間控えていたFRB批判を演説で再開
  • 2日の発言、新たな攻撃の先触れではなく過去の不満の蒸し返しか

米経済が不調に陥った場合、その責任をパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に負わせようと、トランプ大統領が批判を再開した。今回の動きは2020年の大統領選での再選を狙い、自身の保守基盤に向けたものだ。

  そして、多くの投資家やエコノミストは、大統領の不満に耳を貸さないようになっている。

  トランプ大統領は、政権の通商政策や税制改革がうまくいかなかった場合に備え、自分が指名したパウエル氏をスケープゴートに仕立てようとしているものと考えられる。ツイートやインタビュー、思い付きの発言などによる攻撃は米大統領として前代未聞で、金融市場を時折揺るがしてきた。

Fed Chair Powell Testifies Before Senate Banking Committee

パウエルFRB議長

撮影: Andrew Harrer/Bloomberg

  大統領はしばらくの間、米金融当局批判を口にすることがなく、パウエル議長ら当局者の大半はその間、さらなる利上げに辛抱強くなる姿勢に転じた。しかし、大統領は2日、かねての不満を繰り返した。金融当局の姿勢転換は基本的に大統領が望んでいたものだ。米S&P500種株価指数は18年末から約12%上昇し、ドルはブルームバーグ・ドル・スポット指数で若干軟調となった。

いつもの不満

  トランプ大統領の批判は投資家には耳慣れたものに響いたかもしれないが、大統領はこうした不満を自身の支持基盤に強い印象を与え刺激するために行っている。大統領は2日、保守政治活動協議会で2時間にわたり、ほぼテキストなしで広範な話題について演説。パウエル議長を「利上げを好む」人物で「非常に強いドルを好むジェントルマン」と批判した。

  演説では、モラー特別検察官が進めるロシア疑惑捜査のほか、大統領就任式での聴衆の規模や移民問題を巡るメディア報道など、以前からの不満をぶちまけた。

  ロンドンを拠点とするシンクタンク、公的通貨・金融機関フォーラム(OMFIF)の米国議長を務めるマーク・ソーベル氏は「発言は政治演説の中で行われたものであり、政策についての真剣な検討というよりも、支持基盤向けの政治的コメントと見受けられる」と指摘。米金融当局やドルに関するトランプ大統領の不満は、大統領自身の景気拡大的な財政政策によって米経済を押し上げた結果、もたらされた部分が大きいとの見方をソーベル氏は示した。

Key Speakers At The Conservative Political Action Conference

保守政治活動協議会で演説したトランプ大統領(3月2日)

撮影: Al Drago/Bloomberg

原題:Trump Using Fed, Strong Dollar Complaints to Stir Voter Base(抜粋)

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