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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日銀が気をもむインフレ動向、夏までに上昇率ゼロ%に向け下げ加速か

  • 原油価格の下落が日銀の物価上昇見通しを脅かす
  • 携帯電話料金の値下げと教育無償化策が日銀に追い打ち
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan, on Wednesday, Sept. 13, 2017. The BOJ\'s next monetary policy meeting is scheduled for Sept. 21. The central bank pushed back in July the projected timing for reaching its 2 percent inflation target for the sixth time as economic growth failed to drive price gains.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本のインフレ見通しは日本銀行にとって散々なものになりそうだ。原油価格の下落や携帯電話料金の引き下げの影響を受け、インフレ率は夏ごろまでにゼロ%に向けて一段と下げ足を強めかねないからだ。
     

ゼロ地点

物価の先行指標は国内インフレ率の低下を暗示

出所:総務省、ブルームバーグ

  原油価格の下落が電力料金に反映されるのに伴い、物価動向をみる上で重要な8つの要素で構成されるブルームバーグ・インフレーション・バロメーターは向こう数カ月に低下の勢いが強まることを示している。過去8年で見ると、ある時点の同バロメーターと6カ月後の消費者物価の相関係数は0.84だ。
       
  政府から値下げ要請を受けている携帯電話事業者の動きが、インフレ醸成に向けた日銀の取り組みを複雑にする恐れがある。携帯電話料金について政府は4割程度の引き下げを求めており、結果として物価全体の伸びが0.9ポイント押し下げられる可能性がある。さらに面倒なことに、消費税率引き上げと同時に導入予定の教育無償化政策で、2019年度の消費者物価が0.3ポイント押し下げられると日銀は試算する。

  インフレ率がゼロ%へ向かえば日銀には何らかの行動を取るか、あるいは何もしないのならその判断を正当化するよう求める圧力がかかるだろう。円相場が弱含み、賃金がさらに上昇し、原油価格が高騰するようなら、金融政策運営は一時的要因の影響を受けないというスタンスを堅持する日銀の助けに依然なり得る。

ブルームバーグ・エコノミクスの増島雄樹シニアエコノミスト
このインフレーション・バロメーターは、10月に予定されている消費税率引き上げを前に、コアインフレの下振れリスクを表している。米中通商戦争に加え、英国の欧州連合(EU)離脱を含む、政治に起因する欧州での企業活動における潜在的なマイナス要因など、日本の企業セクターに対するリスクが国内の労働市場や物価にいかに影響を及ぼすかを追っていくことになるだろう。


物価のドライバー

ブルームバーグ・インフレーション・バロメーターを構成する8要素

出所:ブルームバーグ、経産省、厚労省、総務省、内閣府、日銀、経済社会総合研究所

                 
  日銀は2%の物価目標を掲げ、達成するまで金融緩和策を継続する方針を示している。日銀は既に19年度の生鮮食品を除く消費者物価指数の上昇率(政策委員見通しの中央値)を、消費増税と教育無償化の影響を除くケースで対前年度比1.4%から0.9%に下方修正したが、この予想ももはや過度に楽観的なようにみえる。

原題:Japan Inflation Barometer Points to Zero Price Growth by Summer(抜粋)

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