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【コラム】500兆円の時限爆弾、借金たらい回しの中国債市場

  • 社債並みの利回りを提供しソブリン債に近いように見えるLGFV債
  • 予算に組み入れられる地方債と簿外債務を区別しない地方政府も
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中国で昨年8月、新疆ウイグル自治区の建設会社が地方政府の資金調達事業体「融資平台(LGFV)」として初のデフォルトに陥りかけた。「テクニカル」な不履行となったものの2日遅れて同社が債券の支払いを行うと、それ以降、市場では「AA」格付けの3年物LGFV債の利回りが低下した(中国格付け会社の評価はインフレ気味で、高利回り債でもAAとされることが多い)。
  
  利回りに貪欲な投資家の目には、地方政府の簿外債務であるLGFV債はとても魅力的に映るだろう。社債並みの利回りを提供し、ソブリン債に近いように見える。だが油断は禁物だ。HSBCホールディングスによると、中国で積み上がったLGFV債は30兆元(約500兆円)に迫る。

Fun Ride

In just half a year, yields for AA rated, three-year local government financing vehicles' issues compressed to 3.9 percent from 5 percent

Source: Bloomberg

  今年2月に発せられた警告は青海省投資集団(QPIG)からだった。22日予定のドル建て債の利払いを怠った。国務院は2015年、新発のLGFV債を社債と見なすと明確化。政府保証はないということだ。それでも中国の投資家は最終的には地方政府の簿外債務を国が救うと信じているようで、LGFV債に資金を投じ続けている。

  予算に組み入れられる地方債と簿外債務とを区別していない地方政府もあるようだ。財政省が導入したインフラ事業向けの「専項債」と呼ばれる特別債は地方政府のバランスシートには載らない。だが河南省が1月に発行した3年物専項債の表面利率は3.13%と、予算計上の一般目的債と同じだった。

  専項債は理論上、対象となるインフラ事業からのキャッシュフローで元利返済が可能だとされるが、資金がショートすれば損失を被るのは投資家だろう。地方政府による昨年の専項債発行総額は1兆9000億元に上る。

What Deleveraging?

Local government financing vehicles continue to issue bonds despite Beijing's talk of lowering debt

Source: Bloomberg

  HSBCの推計によると、民間企業は昨年、発行された社債の7%余りで支払いできなかった。地方政府系の発行体がデフォルトした例は依然、皆無。青海省投資も昨年、危うく難を免れていた。

  簿外債務の大きい省のために、中央政府は新たな解決策を探ってもいるようだ。国家開発銀行が江蘇省鎮江市向けに長期融資の提供を開始するとブルームバーグは関係者の話として先月報じた。域内総生産(GDP)で中国トップクラスの省である江蘇省は、ドル建てLGFV債発行全体の15%を占め、時限爆弾を抱えているようなものだ。

  そして忘れてならないのが、借金のたらい回しだ。15-18年に12兆元相当の地方債が発行され、地方政府は集めた資金をそれ以前に積み上がっていた簿外借り入れの返済に充てた。この種の仕組みを考えれば、本土の投資家が錯覚するのも無理はない。中国政府がいつまで支援を続けることができるかは、時が教えてくれるだろう。

  (シュリ・レン氏はブルームバーグ・オピニオンの香港在住コラムニストで、アジア市場を担当しています。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:This Frenzy in China’s Bond Market Could End Badly: Shuli Ren(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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