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【日本株週間展望】上値重い、好材料の織り込み進展-中国政策を注視

  • 米中貿易交渉は合意案の作成進める、ことし2カ月連続で株価上昇
  • 為替の円安傾向は株価を下支え、5日から中国で全人代が開幕

3月1週(4ー8日)の日本株は上値の重い展開が予想される。米国と中国の通商交渉など好材料の織り込みが進展する中、景気や企業業績の先行きを見極めたいとのムードが強まる。半面、円安は株価を下支えしそうだ。

  米中通商問題では3月1日の交渉期限が延期となり、米当局者は両首脳が数週間後に署名することができるような最終的な合意案の作成を進めている。中国では5日から全国人民代表大会(全人代)が開幕し、同日には2019年の経済成長率などの概要を盛り込んだ報告が明らかになる見込み。日経平均株価は1月に3.8%高となったのに続き、2月も2.9%高と、米中交渉進展や中国景気刺激策などを期待した戻りが顕著とあって、大きく押し上げる力は限定的とみられる。

  一方、米景気の底堅さを背景とした円安は、国内企業業績への懸念を和らげる可能性がある。米国では5日に2月の供給管理協会(ISM)非製造業景況指数、8日に2月雇用統計が予定される。ISM非製造業は57.2(前回56.7)への改善が見込まれる。雇用統計では非農業部門雇用者数の増加幅が18万5000人(同30万4000人)に伸び悩む半面、平均時給は前年比3.3%(同3.2%)上昇の見込み。米金利上昇・ドル高を転換させるような極端な米指標悪化は予想されていない。

  このほか、海外で7日に欧州中央銀行(ECB)政策委員会が予定される。国内では8日に予定される昨年10-12月期実質国内総生産(GDP、改定値)は前期比年率1.7%と、速報値1.4%から改善の見込み。日本株需給面では8日、株価指数先物・オプション3月限の特別清算値(SQ)が算出される。2月4週の日経平均株価は週間で0.8%(177円)高の2万1602円と3週連続の上昇だった。

≪市場関係者の見方≫
ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「もみ合いを基本としながらも下値を警戒する週となりそうだ。米中通商交渉は年初からずっと期待通りの進展を示し、米金融政策による刺激効果もほぼ織り込んだ感がある。特に米中交渉は最終的な詳細が見えていない中で好材料を織り込んできただけに、伸び悩み傾向が強まるとともに悪材料にも反応しやすくなっている。ただ、大きなマイナス材料も当面は予想しづらい。米景気は減税効果や財政効果がまだ残っているため高めの成長を維持しており、すぐに悪くなる状況にはなく雇用統計も市場予想より強含む公算がある。当面はややドル高・円安傾向が続きそうだ。米国との交渉中であることを考えると、中国の全人代では新たな成長政策は出てこないとみられ、大きな方向性は示さないだろう」

セゾン投信の瀬下哲雄運用部長
  「米国の経済堅調を背景に日本株も上昇が予想される。米中貿易協議や英国の欧州連合離脱問題に関連したイベントは予定されていないことから、株式相場が大きく変動することは考えにくい。最近、米国では良好な経済指標が示されており、これまで心配し過ぎだった景気鈍化の見方が変われば為替市場でドルが買われ、円安基調となって日本株に追い風となる。中国の全人代では、景気を冷やさないよう内需拡大に向けた経済対策などが期待される。ECB理事会の金融政策は引き締め方向から今は中立としているが、景気の減速懸念がある中で緩和へと方向転換する可能性がある」

3週連続の上昇
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