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米朝会談:トランプ大統領の賭けは裏目、北朝鮮非武装化は不透明に

  • 合意望んだトランプ氏、制裁全面解除「できないことだった」と説明
  • 決裂に軍事専門家は安ど、「はるかに悪い結果になっていた可能性も

トランプ米大統領は急ごしらえで北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を設定し、そのために地球の裏側まで飛んだ。両国間に横たわる長年の溝でも、直接会って話せば克服できるとの自信があったからだ。

  そして首脳会談を終えたトランプ氏は、手ぶらで米国に戻る。

  ハノイでの会談決裂は、首脳間で1対1の会談を2度行ってもなお米朝間の隔たりが大きいことを物語る。米国側の説明によれば、北朝鮮が数十年にわたり抵抗してきた核開発プログラムの放棄を、金委員長は拒否。同委員長が提案したのは老朽化した核施設の廃棄で、その他の兵器や関連インフラの放棄は拒む一方、米国に制裁の全面的な解除を要求したという。

  合意を熱望していたトランプ氏でさえも、ここまでの譲歩はできないと理解していた。

DPRK-USA Summit Takes Place in Hanoi

トランプ米大統領(2月28日)

写真家:SeongJoon Cho /ブルームバーグ

  トランプ大統領は28日、会談決裂後の記者会見で「制裁が問題になった。基本的に北朝鮮は制裁の全面解除を望んだが、われわれにはできないことだった」と説明。「米朝間には溝がある。米国は制裁を科さなければならず、北朝鮮に核廃棄の意思があるが、われわれが望むほど重要ではない分野でそれを進めたいと考えている」と続けた。

  内容が悪くても構わずトランプ氏が合意を結んでしまうのではないかと懸念していた軍縮専門家は、大統領の行動に安心するだろう。ブッシュ(子)政権下で国家安全保障会議(NSC)のアジア担当シニアディレクターを務めたマイケル・グリーン氏は、トランプ氏が金委員長への譲歩として在韓米軍の一部撤退に合意する恐れがあると警戒していた。それは実現せず、「会談ははるかに悪い結果になっていた可能性がある」と胸をなで下ろした。

  いまや問題は今後の展開だ。ポンペオ国務長官は協議継続を強調したが、次回の交渉が開かれるまで「少し」時間がかかるかもしれないとの認識を示した。

  同長官はハノイからマニラに向かう機中で記者団に対し、「われわれは互いに体勢を立て直す必要がある」とし、「対話には道理が必要だ。事態をどう前進させるか、理論がなくてはならない。それはあると確信する」と語った。

原題:Trump-Kim Summit Breakdown Renews Doubts North Korea Will Disarm(抜粋)

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