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デサント取締役:伊藤忠TOBは成立の可能性高い、対抗策考えず

更新日時
  • MBOや増資などの資本政策で対抗する考えはない-田中取締役
  • 伊藤忠とは話し合いの場持ちたいー自主独立の精神貫く

伊藤忠商事から株式公開買い付け(TOB)を仕掛けられているスポーツウェア大手デサントの田中嘉一取締役はTOBが成立する可能性が高いと考えているとの認識を示した。マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣による買収)や増資などの対抗策を取るつもりはなく、TOB後に伊藤忠と対話の場を持ちたいとした。

Exterior of Descente's Flagship Store Shop on Nathan Road in Tsim Sha Tsui. 13OCT17  SCMP / Dickson Lee


デサントの店舗(香港)

Photographer: Dickson Lee/South China Morning Post via Getty Images

  田中氏は28日、都内でのブルームバーグ・ニュースのインタビューで、TOBへの対抗策としてホワイトナイト(友好的買収者)を見つけるなど「何らかの手段を行使するのかとよく問われるが、正直考えていない」と話した。同氏はデサントにとって最も重要なのは「株主平等の原則を守ること」と指摘。TOBが成立しても「特に少数の株主利益を守ることに注力する」と強調した。

  28日午前に田中氏の発言が報じられたことを受けて、デサントの株価は上げ幅を拡大。一時約3週間ぶりの日中上昇率となる前日比4.2%高の2446円まで上昇し、2425円で取引を終えた。伊藤忠がTOBを発表した1月31日から株価は大幅上昇し、それまで1000円台後半で推移していた株価は翌営業日にTOB価格の2800円近くまで急騰していた。

  

1月31日のTOB発表後に株価は大幅上昇

  伊藤忠は1月31日、デサントへの出資比率を30.44%から最大40%に引き上げるとしてTOBの実施を発表。デサント側はこれに対し「取締役会に対して何らの連絡もなく、また事前協議の機会もないまま一方的に行われた」と伊藤忠を批判する声明を発表。特定の投資ファンドとの間で非公開化を含む資本・業務提携の可能性について初期的検討を継続的に行っていることを明らかにしていた。2月7日にもTOBを「強圧的な手法」で支配権を取得するものして反対意見を出した。

  デサントは2018年8月から、下着メーカーのワコールホールディングスと包括的事業提携を締結しているが、田中氏によるとワコールとの関係は現時点ではそれ以上に発展させるものではなく、TOBへの対抗策などでのワコールの関与は考えていないと明言した。

  田中氏は「自主独立の精神で、デサント経営陣の主張が反対表明からぶれることはない」と述べ、今後の伊藤忠との協議では取締役人数の削減や事業戦略など同社が求める点については今後もデサントの主張を貫き通す考えを示した。

  伊藤忠の広報担当者は田中取締役のコメントについて、「TOBを粛々と進めていく。それ以上については何もコメントできない」とした。

  一方、伊藤忠は28日午後に発表した資料で、両社がこれまで企業価値向上を目的に協議を行っていたもののデサント経営陣の対応に問題があったため、話し合いを打ち切ったことを明らかにした。

  今後の対話はTOB終了後に行うが、通常の6月までの株主総会までの期間に企業価値が低下する可能性が高いと判断した場合には、デサントの臨時株主総会の招集を請求する可能性にも言及した。

(伊藤忠の28日付の開示文書などを加えました.)
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