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米経済は良好、一部に「相反」する流れも-パウエルFRB議長

更新日時

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は米経済は良好だとしつつ、一部で「相反する流れやシグナル」が見られると指摘。そうしたシグナルを踏まえ、金融当局は1月、将来の政策金利変更について辛抱強いアプローチを取ることは正当化されると判断したと説明した。

  議長は26日、上院銀行委員会で半期に一度の議会証言を行った。事前に配布された証言原稿によれば、インフレ圧力が「抑制」される中、連邦公開市場委員会(FOMC)は、金融当局の行動や世界・金融情勢、そして政府政策に関する不確実性が続いていることによる累積的な影響から、将来の政策変更に関して辛抱強いアプローチを取ることが正当化されると判断し、政策金利据え置きを決定したと説明した。

Fed Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

パウエルFRB議長

撮影: Al Drago/Bloomberg

  その上で「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する」と述べた。

  パウエル議長の発言は、追加利上げないし利下げのどちらにも傾いていないことを示している。データは1-3月(第1四半期)における支出の増加継続を示唆していると議長は指摘。政府機関閉鎖に伴う悪影響は「今後数カ月の間に落ち着く」と述べた。冒頭証言後の質疑応答では、政策の方向性について予断を持たないとあらためて表明した。

  議長は「賃金は上昇しており、喜ばしいことだと受け止めている」とした上で、「インフレの観点から見て厄介な状況だとは考えていない」と説明。「辛抱強くなり、状況の展開を見守るのには適切な時期だ」と述べた。  

  ただ冒頭証言では、見通しに対する短期的・長期的リスクを幾つか挙げた。「昨年の金融市場は、年末に近づくにつれて変動性が高まった。金融環境は現在、昨年の早い段階ほど成長を下支えできていない」とし、「海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国や欧州で特に顕著だ」と指摘した。

  さらに、「英国の欧州連合(EU)離脱問題や通商協議など、政府政策に関する幾つかの未解決の問題を巡って、不確実性が高まっている」と述べた。

  このほか米国は中長期的な課題も抱えているとし、低過ぎる生産性、多くの家計での所得の伸び悩み、低所得労働者の経済的地位が向上していない状況、「持続不可能な道」にある政府債務を挙げた。

  パウエル議長はまた、金融当局のバランスシートを規模約4兆ドル(約440兆円)と、2014年のピーク時から5000億ドル程度縮小させたことにも言及。FOMCの1月会合の議事要旨では、金融当局のバランスシート縮小を年内に停止することで当局者の認識が幅広く一致したことが示された。この日の議会証言で議長は、どの規模までバランスシートを縮小させるかについて具体的な水準は示さなかった。

  議長は「中長期的には、バランスシートの規模は通貨や銀行準備など金融当局の負債サイドへの需要に左右される」と説明した。

原題:Powell Sees Healthy Economy With ‘Crosscurrents’ to Watch (1)(抜粋)

(最終2段落にバランスシートに関する発言を追加し、更新します.)
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