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5G巡り米欧で見解の相違、華為をどう扱うか-QuickTake

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  • 貿易戦争に加え、米中間の対立が5Gという舞台にも広がる
  • 禁止は欧州通信事業者のコストに「大きな意味合い」-ボーダフォン
Frank Lee, director of brand marketing at LG Electronics Mobilecomm U.S.A. Inc., speaks during an LG Electronics launch event ahead of the MWC Barcelona in Barcelona, Spain, on Sunday, Feb. 24, 2019. At the wireless industry’s biggest conference, over 100,000 people are set to see the latest innovations in smartphones, artificial intelligence devices and autonomous drones exhibited by more than 2,400 companies.
Frank Lee, director of brand marketing at LG Electronics Mobilecomm U.S.A. Inc., speaks during an LG Electronics launch event ahead of the MWC Barcelona in Barcelona, Spain, on Sunday, Feb. 24, 2019. At the wireless industry’s biggest conference, over 100,000 people are set to see the latest innovations in smartphones, artificial intelligence devices and autonomous drones exhibited by more than 2,400 companies. Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg
Frank Lee, director of brand marketing at LG Electronics Mobilecomm U.S.A. Inc., speaks during an LG Electronics launch event ahead of the MWC Barcelona in Barcelona, Spain, on Sunday, Feb. 24, 2019. At the wireless industry’s biggest conference, over 100,000 people are set to see the latest innovations in smartphones, artificial intelligence devices and autonomous drones exhibited by more than 2,400 companies.
Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg

世界各地の電話会社が導入しようとしている第5世代(5G)移動通信テクノロジーを巡り、米国と欧州で見解の違いが浮き彫りとなっている。

  米国は中国最大のテクノロジー企業、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)には安全保障に絡む懸念があると主張。米司法省は1月、同社を企業秘密窃取の罪などで起訴した。貿易戦争に加え、米中間の対立が5Gという舞台にも広がった形で、欧州の通信会社幹部は困惑しており、5Gのネットワーク整備が遅れる可能性もある。

1.5Gとは?

  2009年に商業運用が始まった第4世代(4G)移動通信を引き継ぐ5Gは、スピードが4Gの100倍で秒速10ギガビットに達する。あらゆるものをインターネットをつなげる「インターネット・オブ・シングス(IoT)」の実現に5Gは不可欠だ。

How 5G Could Work

2.セキュリティー巡り何が心配なのか?

  4G以前と比べるとハッキングされにくい5Gだが、つながる装置・機器が飛躍的に増えることから、外部からの攻撃から守ることがより大きな課題となる。オーストラリアは18年8月、国家安全保障を巡る懸念から、華為と中興通訊(ZTE)が次世代移動通信機器を豪州の通信事業者に提供することを禁止した。米国ではベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tが華為製スマートフォンを販売する計画を取り下げた。トランプ米大統領は昨年3月、当時登記上の本社をシンガポールに置いていたブロードコムによるスマホ半導体最大手の米クアルコム買収を阻止する大統領令に署名。両社が統合すれば、5G開発競争で中国を利するとの懸念があった。

3.欧州の対応は?

  トランプ政権が主要な米同盟国に華為製品を禁止するよう説得工作を強める中で、英国とドイツ、フランスなどが華為のネットワーク機器を制限するかどうか検討中だ。米連邦通信委員会(FCC)は国家安全保障へのリスクとなり得る華為などの企業のネットワーキング機器向けに一部の連邦補助金を使うのを禁じることも考えている。

4.どの程度のリスクか?

  米国が華為に対して問う罪には産業スパイも含まれ、5Gになればより大きな規模でそうしたスパイ活動が行われ得ると米当局側は指摘する。公共インフラの脆弱(ぜいじゃく)性も懸念材料で、弱点を突かれれば、広範な形でシステム障害が起きる恐れがある。移動通信に今つながっているのは携帯電話やコンピューターなど限定的だが、5Gは半導体やセンサー、カメラ、家電、エレクトロニクス製品と人々の周りにある極めて多くのモノを相互に結び付ける。スウェーデンのエリクソンによると、モバイルネットワークが運ぶデータ量は24年までに今の5倍になり、5G通信網は世界人口の40%余りをカバーする。

5.それ以外のリスクは?

  欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のアンシプ副委員長(デジタル単一市場担当)は1月、中国が17年に施行した「国家情報法」が欧州において中国企業との取引におけるリスクを高めたとの認識を示した。同法は中国の全ての組織と個人に国の情報活動への協力とそうした調査に関連する情報の保持を義務付けている。

6.華為の主張は?

  華為は中国のスパイ活動を手助けしているとの疑惑を繰り返し否定し、証拠を示さず同社製品を禁止すれば、業界と新たな高速テクノロジーを阻害すると主張している。華為の任正非最高経営責任者(CEO)は今年1月、数年ぶりに沈黙を破り、国外メディアとの会見で疑惑の払拭(ふっしょく)に務めた。米国の要請に基づきカナダ当局が昨年12月にバンクーバーで逮捕した華為の孟晩舟最高財務責任者(CFO)は任CEOの娘。


7.通信事業者の考えは?

  華為から5Gネットワーク機器の供給を受けることが禁じられれば、コストが膨らむと通信各社は警鐘を鳴らしている。英ボーダフォン・グループのニック・リードCEOは華為からの一部機器の購入停止を1月に発表したが、禁止措置は欧州通信事業者のコストに対し「大きな意味合い」を持ち、「相当な遅れ」も生むと述べた。

8.5G始動はいつ?

  華為に加え、韓国のサムスン電子とLG、中国のレノボ・グループ(聯想集団)とワンプラスが年内に5G対応のスマホを市場に投入する予定。多くの国で通信会社が今年中に5Gサービスの運用を開始し、20年にはさらに広がると見込まれている。

原題:Why 5G Phones and Huawei Have U.S. and Europe at Odds: QuickTake(抜粋)

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