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トランプ政権の人民元安定要求、市場主導型への移行に逆行する恐れ

  • 米国は通商協議の一環として中国に為替安定を求めているとされる
  • G20をはじめとする長年の国際的な対中圧力とは相いれない動き

トランプ米大統領は、中国の為替慣行への対応という選挙公約をようやく実現することになりそうだ。トランプ氏はかねて中国の為替政策が同国を通商上利するものだと主張してきた。だがそれは、過去10年近くに及ぶ世界的な経済政策の潮流からの転換を意味する。

  米国は中国との通商協議の一環として、同国に人民元相場の安定維持を求めているとされる。米国の対中関税の効力を中国当局が人民元切り下げによって相殺するのを封じる狙いがある。しかし、こうした要求は、20カ国・地域(G20)を中心に人民元の変動相場移行を促してきた長年の国際的対中圧力とは相いれない動きだ。

  中国が米側の要求を受け入れた場合、同国の為替レートと対米貿易黒字は約束が守られているかどうかを監視する目安となり、履行されければ米国は対中関税賦課に踏み切るとして脅しをかける仕組みだ。人民元相場の大幅な変動がその結果なくなれば、為替レートの決定で需給要因が果たす役割を拡大させてきた中国のここ数年の進捗(しんちょく)を逆行させることになりかねない。

  国際通貨基金(IMF)のエコノミストを務めた経歴を持つ米コーネル大学のエスワール・プラサド教授(通商政策)は「中国に市場主導型経済への転換を長年促してきたにもかかわらず、為替レートの決定に際して同国に市場の諸力を脇に置くようトランプ政権はあからさまに求めており、憂慮すべき前例となる」と指摘した。

Imports from U.S. slump by record amid trade war

原題:U.S. Push for Stable Yuan May Unwind China’s Move Toward Markets(抜粋)

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