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ゴーン被告の「無罪確信」、日産内部で処理すべき問題-弘中弁護士

  • 弘中氏「なぜ事件になったか奇異な気持ち、無罪へ力合わせていく」
  • 厚労省事件で無罪判決、「日本の刑事弁護の最高峰チーム」と専門家

会社法違反(特別背任)の罪などで起訴された日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告の弁護を担うことになった弘中惇一郎弁護士(73)が20日、都内で会見し、ゴーン被告についてすべての起訴事実で「無罪であると確信している」とした上で、「無罪を取るために弁護士としてこれから力を合わせていく」と述べた。

Carlos Ghosn's New Lawyer Junichiro Hironaka Holds News Conference

弘中弁護士(中央)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  弘中弁護士は金融商品取引法違反の罪でも逮捕、起訴されたゴーン被告について「なぜ事件になったのか。奇異な気持ちも持っている」と話した。「日産内部で本来処理しなければならない問題を検察に持ち込み、検察も本来であれば民事不介入が原則だと思うが、それを取り上げた」との印象を持っているという。

  ゴーン被告は仮に無罪判決を受けても、日産やルノーでの立場も含めてこの間に失ったものを取り返すことは難しいとし、検察の事件化によって同被告に「致命的なダメージを与えることを危惧している」と話した。ゴーン被告の保釈に関しては「見通しを話せる状況ではない」とした。

  弘中氏は文書偽造などの罪に問われた元厚生労働省の村木厚子氏(後に事務次官)で無罪判決を勝ち取った経験がある。昨年11月の逮捕直後からゴーン被告の弁護人を務めていた元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が公判開始を前に辞任したことを受けて、新たな担当として選ばれた。

  弁護団の主任は弘中弁護士とともに村木氏の事件を手がけた河津博史弁護士が務める。このほか高野隆弁護士ら数人が加わるという。

  刑事事件や司法制度の分野を専門とする早稲田リーガルコモンズ法律事務所の四宮啓弁護士は弘中氏ら3人の弁護士について「刑事弁護士を5人挙げろと言われれば、その5人の中に入る3人。知識や経験において日本の刑事弁護の最高峰だ」と語る。

人権団体も懸念

  ゴーン被告は昨年11月19日の最初の逮捕から約3カ月が経過。東京地裁への保釈請求は2度にわたって却下されており、勾留期間は長期に及んでいる。パリに本部を置く国際人権連盟は同日、長期勾留などを問題視して、刑事司法制度の見直しを日本政府に求める声明を発表した。菅義偉官房長官は午前の定例会見でゴーン被告の勾留は「適正な手続きの下に行われている」とコメントしている。

  弘中弁護士は、ゴーン被告が突然逮捕されたことで「日本はうっかり行くと何をされるかわからない国だとビジネス面で世界に衝撃を与えた」とも指摘。また、長期の身柄拘束などの問題からも国際的な関心を集めているとして「人質司法の問題も含めて、国際的な水準に司法制度を見直していく機会だ」と述べた。

  四宮弁護士は「今回、ゴーン元会長の長期勾留の続く恐れのあることが大きな問題の一つ」として、「現時点での刑事弁護士の最も重要な任務の一つは依頼者の自由を回復すること。当面は保釈の実現に向かって全力を尽くすだろう」との見方を示した。

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