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Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

ブリュッセルで盗聴は日常茶飯事-EU離脱交渉「スパイ天国」が舞台

  • メイ政権の離脱交渉担当者は戦略について話すのをバーで聞かれた
  • 特定のバーに頻繁に出入りしないよう外交官らは注意を受けている
The evening sun sets above the rooftops of residential and commercial buildings in the Northern Quarter business district of Brussels, Belgium.
Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

メイ英首相のチームで欧州連合(EU)離脱交渉を担当するオリバー・ロビンス氏が、11日夜にブリュッセルのバーで、英政府の戦略をうかがわせる驚くような見解を話すのを部外者が耳にしたと伝えられたが、そんな展開がもっと早く起きなかったことを意外だと多くの外交官は受け止めた。

  英EU離脱交渉の舞台となるブリュッセルは、EUと北大西洋条約機構(NATO)が本部を置き、政府当局者が記者に機密文書を渡すやりとりが街角で行われることもある。5400人の外交官と4万人のEU職員、30カ国余りから来て永住権を持つ1000人近いジャーナリストがひしめき合うこの都市は、盗聴やうわさ、策略を糧に栄えている。

  機密保持に関わる問題であることを理由に当局者らが匿名を条件に語ったところでは、ブリュッセルでは数百人ものロシアと中国のスパイが暗躍し、正式な資格を持つジャーナリストを装っている場合すらある。窓越しあるいは他のテーブルから会話を盗聴される恐れがあると言われているため、特定のバーに頻繁に出入りしないよう欧州の外交官らは注意を受けているという。

UK PM May's Chief EU Adviser Robbins Attends Select Committee Hearing

オリバー・ロビンス氏

写真家:Simon Dawson / Bloomberg

  英国代表部のオフィスへの訪問者は、携帯電話を受付で預ける必要がある。EU機関の上層階で機密情報を扱う当局者らは、ドローンによって窓から撮影されることがないよう日常的にブラインドを閉めて仕事をしている。

  メイ英政権のロビンス氏から情報を得るのに、特に大胆な手法が用いられたわけではない。ブリュッセルのソフィテル・ホテルの静かなバーで、深夜にビールを片手に行った雑談が、たまたま居合わせた英ITVニュースの記者に聞かれただけだ。

  ITVが伝えたところでは、「英政府の離脱修正案が可決されなければ、離脱交渉を延長せざるを得ない」と3月最終週になって下院に通告するというのがメイ首相の戦略であり、離脱手続きを定めるリスボン条約50条の期限延長にEU側も最終的に同意する可能性が高いとロビンス氏は話していたという。

  ITVの報道は、EU離脱案の議会通過を目指すメイ首相の「ぎりぎりのプラン」を台無しにする危険をはらんでいるが、首相は「誰かが誰かに言ったことをバーで別の誰かが立ち聞きした内容に基づくものだ」とはねつけた

原題:In Brexit’s City of Spies, Eavesdroppers Are Everywhere
May Threatens a Long Brexit Delay, Her Top Aide Is Heard to Say(抜粋)

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