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ゴーン被告、「オールスター弁護団」で反撃に備える-3つの戦略

  • 新弁護団には弘中氏や河津氏、高野氏らが参加-20日に記者会見
  • 被告はルノーとの合併回避したい日産幹部の犠牲になったと主張か
カルロス・ゴーン被告

カルロス・ゴーン被告

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg
カルロス・ゴーン被告
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

カルロス・ゴーン被告は無罪を勝ち取ることができるだろうか。

  日産自動車とフランスのルノーの元会長で、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されたゴーン被告は新たな戦略を必要としている。東京地裁への保釈請求は2度にわたって却下された。

  ゴーン被告は先週、弁護士チームを一新。元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が辞任し、郵便不正事件で厚生労働省の村木厚子元事務次官の無罪判決を勝ち取った弘中惇一郎弁護士が弁護人に就くこととなった。同じく村木氏の弁護人だった河津博史弁護士も加わる。弘中弁護士は20日に記者会見を開く予定。

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弘中惇一郎弁護士

Photographer: Behrouz Mehri/AFP via Getty Images

  元検事の郷原信郎弁護士は大鶴氏について、「特捜部と戦う弁護士ではない」とし、「辞任は予想されていたこと」と指摘。弘中氏については「今まで徹底的に検察と戦ってきて実績を挙げている人」であり、「無罪の可能性は相当高いと思う」と語る。

  ゴーン被告の弁護団には、1995年に地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教メンバーの弁護人を務めた高野隆氏も参加している。

  危機管理などを専門とする大槻展子弁護士は「高野弁護士と弘中弁護士が組む事件は初めてではないか」と述べ、素晴らしい人選との見方を示した。

戦略1:諦めない

  上智大学のスティーブン・ギブンズ教授は、検事はほぼ全ての被告が自供するか有罪になることに慣れており、元検事は通常、元同僚とのつながりを維持しているため、米国と異なり、日本では元検事に弁護人を依頼するのは優れた戦略ではないと指摘。

Carlos Ghosn Attends A Hearing At Tokyo District Court

ゴーン被告の弁護人を辞任した大鶴基成弁護士

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  「ひとたび検事になると、身に付いた姿勢はなかなか変わらない」とし、「検事側に忠実で共感したままになる」と語る。「ゴーン被告は汚名をそそぎたいのだろう。多分『失うものはない。攻めの一手だ』と考えている」。

戦略2:日産を非難

  白鴎大学の村岡啓一教授は、弁護団は、ゴーン被告は企業陰謀の犠牲者だと主張するとみる。

  この戦略では、弁護団は、ゴーン被告はルノーから主導権を握り、ルノーとの合併を回避したい日産幹部の犠牲になったと主張するだろうと、同教授は指摘。ゴーン被告は1月に東京地裁に出廷した際、容疑はいわれのないもので、「不当に勾留されている」と述べている。

  同教授は、新弁護団は、ゴーン被告のケースは日産に被害を与える犯罪行為ではなく、日産とルノーの間の権力闘争の下で日産側がでっち上げたものだと主張するだろうとの見方を示した。

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1月8日に出廷したゴーン被告

Photographer: Jiji Press/AFP via Getty Images

戦略3:公訴時効の可能性

  
  ゴーン被告が2008年に私的投資で生じた損失を日産に付け替えた特別背任容疑について、弁護団は公訴時効は7年と主張する可能性があると、ギブンズ教授は指摘する。

  重要なのは、この期間をどう算定するかという点になりそうだ。検察側は、ゴーン被告が国外にいた期間については7年に算入されないと主張する可能性があり、そうなれば、08年の罪について公訴時効は成立しないことになる。弁護団は、この点についても争う可能性がある。

原題:Ghosn Readies Counterpunch With New ‘All-Star’ Defense Lawyers(抜粋)

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