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Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

米自動車関税の回避を改めて強調、声明に沿って貿易協議-茂木経財相

  • 交渉中に自動車の追加関税が課されることはない-茂木経財相
  • 関税引き上げならGDPを0.5%下押しも-野村証の桑原氏
Tesla Inc. vehicles are unloaded from car carriers before being shipped from the Port of San Francisco in San Francisco, California, U.S., on Thursday, Feb. 7, 2019. Tesla is loading as many Model 3 sedans as it can onto vessels destined for China ahead of March 1, when a trade-war truce between presidents Donald Trump and Xi Jinping is scheduled to expire.
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

米商務省が自動車・同部分品輸入による米国の国家安全保障に及ぼす影響をまとめた報告書をトランプ米大統領に提出したことを受けて各国からの反発が相次ぐ中、日本政府は昨年9月に行った日米首脳会談の共同声明に沿い当面日本への自動車関税は回避されるとの認識を改めて示した。

  茂木敏充経財相は19日の閣議後会見で、日米貿易協定の協議中は、昨年9月の共同声明の精神に反する行動は取らないことは明確になっていると述べ、「交渉中に自動車の米通商拡大法232条に基づく追加関税が課されることはない」と説明。日本が適用除外となることは安倍首相がトランプ大統領に直接確認したとした上で、「これから始まる米国との貿易協議は共同声明に沿ってしっかり進める」との考えを示した。世耕弘成経産相も同日の会見で、「首脳会談で合意されたことはしっかり履行される」と述べた。

  米商務省は昨年5月に着手した米通商拡大法232条に基づく調査結果を17日にトランプ米大統領に報告した。その内容は明らかにされていないが、自動車輸入に最大25%の追加関税を課す考えを示してきたトランプ氏は90日以内にその是非の判断を下す。追加関税については国内外の自動車メーカーが反対を表明しているほか、米国が輸入自動車に追加関税を課すとの脅しを実行に移した場合は速やかに報復すると、欧州連合(EU)が表明するなど、各国間での貿易を巡る欧米の緊張が高まっている。

  日本経済に占める自動車産業のシェアは大きく、その動向は日本経済全体に影響を及ぼす。2018年の日本の輸出総額に占める自動車・同部品輸出の割合は2割に上る。このうち米国向けの自動車・同部品輸出は3分の1を占める。また国内で約540万人の雇用を抱える自動車産業は「日本経済のけん引役」ともいわれる。

輸出総額
(2018年)
世界向け自動車・同部品米国向け自動車・同部品
81兆4848億円計16兆2986億円
  • 自動車12兆3076億円
  • 同部品3兆9910億円
計5兆4538億円
  • 自動車4兆5243億円
  • 同部品9295億円

            
  野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、「自動車関税が仮に20%引き上げられた場合、輸出数量は半減することも考えられる」と述べ、その場合には国内総生産(GDP)が0.5%下押しされる可能性があると試算した。一方、同氏は、日本政府はシェールガスの輸入を増やす、米国での生産を自動車各社がよりアピールするなどいろんな回避方法をとることによって、関税引き上げを回避すると予想する。

  米通商代表部(USTR)は昨年末に公表した対日通商交渉の基本方針で、改めて対日貿易赤字の削減を求めた。米国法によると、公表の30日後には交渉入りが可能だが、米中間の貿易交渉が先行しており、日米間ではまだ始まっていない。

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