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Jディスプ:5期連続赤字へ、アップル不振が影-早期提携目指す

更新日時
  • 財務基盤と市場競争力強化のため複数社と提携交渉、運転資金にも
  • 赤字見通しを「経営陣として非常に重く受け止める」と社長

中小型液晶パネルメーカーのジャパンディスプレイ(JDI)は14日、今期(2019年3月期)の当期純損益の黒字化は困難と発表した。純損失は5期連続。最大顧客の米アップルの不振が影響した格好だ。

  営業損益は200億円を超える赤字となる見込み。売上高は前期(7175億円)比約10%減となる。

  発表によると、スマートフォン向けディスプレーの顧客需要が下期に大幅に減少した。顧客の有機EL採用も進み、競合他社の生産能力拡大で競争も激化した。車載などスマホ以外の用途も想定を下回った。

12月9月3月
現預金544億円622億円809億円
自己資本比率15.1%16.2%13.1%
ネット有利子負債1315億円1209億円1072億円

  財務基盤と市場競争力を強化するため、複数社との提携交渉を進めており、早期の合意を目指す。調達した資金は成長資金だけではなく、運転資金にも使う計画。追加の構造改革も検討している。

  会見した月崎義幸社長は、今期の赤字見通しを「経営陣として非常に重く受け止める」と発言。提携交渉については当初、「将来の成長資金とご理解頂きたい」と述べたが、運転資金にも使うと修正する場面があった。交渉相手や合意時期など詳細は明らかにしなかった。

  車載向け商品の拡大を進めているものの、売上高の過半を占めるアップルの業績に左右される収益構造から脱却できていない。アップルのiPhone(アイフォーン)は薄くて軽い有機ELへの移行を進めており、JDIも開発を急ぐ。ただ液晶事業や有機EL量産化には大規模投資が必要で、傷んだ財務の立て直しが課題。

Views Of A Japan Display Plant Ahead Of IPO

経営再建中のジャパンディスプレイ

Photographer: Kiyoshi Ota/

  岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは「スマホ市場が成熟化し、中国の景気減速で買い換え意欲も低下している」と分析。スマホ市場の動向によって、JDIの第4四半期の業績に厳しさが増す可能性を指摘した。

  12日付の共同通信によると中国の政府系ファンド、シルクロード基金や台湾のパネルメーカー、宸鴻科技集団(TPKホールディング)などによる企業連合から600億-800億円規模の出資を受ける方向で交渉している。JDIは18年にも第三者割当増資などで約550億円を調達した。

10-12月期の実績
  • 営業利益38.5億円-前年同期損失121億円
  • 純損失13.4億円-前年同期損失326億円

  JDIは12年、官民ファンドINCJ(旧産業革新機構)が主導して日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル部門が統合し発足。14年の上場後も収益は安定せず、人員削減など構造改革を行った18年3月期には約2500億円の純損失となった。上場時に900円だった株価は、昨年12月には52円まで下落した。

  ブルームバーグのデータによると、筆頭株主のINCJはJDIの株式25%を持つ。次いで旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが8.9%を保有する。

(会見内容や現預金などの詳細を追加しました.)
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