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飢餓に苦しむベネズエラから貴重な物資流出、価格差1000%に密輸横行

  • コロンビア側の闇市、ベネズエラの役人らが持ち込んだ食糧で溢れる
  • 無料同然のガソリン、フェリーで持ち込み高速沿いで販売

ベネズエラのマドゥロ政権がコロンビアとの国境沿いにバリケードを急造してから1週間がたつが、人道支援物資を積んだトラックがベネズエラ入国を許可される気配はない。これは食料輸送が止まっているということではない。輸送は続いている。ただし、ベネズエラからコロンビアへと出ている。

  ベネズエラと国境を接するコロンビアの町、プエルトサンタンデールのマーケットでは、ベネズエラ産のトウモロコシ粉や米、チーズスプレッドなどが山積みされている。手厚い補助金で価格を抑えられた消費財を、ベネズエラの政府役人や一般市民がこぞって密輸し、値段を大きくつり上げて売っているためだ。極端な価格のゆがみにつけ込んで金もうけを企む人が押し寄せる中、ガソリンもベネズエラから船で持ち込まれる。

  例えば両国の主食であるトウモロコシ粉は、プエルトサンタンデールでベネズエラ産が1パック当たり約80セントで売られている。これはコロンビアの正規食料品店よりも約30%安いが、補助金を受けるベネズエラでは約7セントだ。コロンビアの高速道路沿いでは、ベネズエラ産ガソリンを売る急ごしらえのガソリンスタンドがおおっぴらに営業している。この販売価格は6ガロン(約23リットル)で10.6ドル(約1170円)だが、ベネズエラでガソリンは無料同然だ。

Fuel Smugglers Operate On Border As Maduro Blocks Aid

オートバイで密輸物資を運ぶ人々(10日、コロンビア・プエルトサンタンデール)

写真家:Ivan Valencia / Bloomberg

  飢餓がまん延しつつある国から食料が流出しているという事実は、いかにマドゥロ政権が経済的・人道的な惨事をつくり出したかを端的に示す。この闇取引は数年前から続いているが、世界が緊急支援をベネズエラに届けようとマドゥロ大統領のライバルである野党指導者への支持を表明する中で、その光景はことさら衝撃的に映る。

  ベネズエラを3カ月前に脱出し、コロンビアで露天商として働くリスベス・シスネロスさん(28)は、「(ベネズエラから運ばれた)これらの商品が売られているのを見るのは腹立たしい」と語る。4児の母親で現在妊娠中のシスネロスさんは「向こうの状況は本当にひどい」と話した。

Fuel Smugglers Operate On Border As Maduro Blocks Aid

プエルトサンタンデールの露店

写真家:Ivan Valencia / Bloomberg

原題:Pocketing 1,000% Markup, Venezuelans Smuggle Out Precious Food(抜粋)

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