日本株大幅高、米中摩擦緩和と米政府閉鎖の回避期待ー円安で輸出高い
河元伸吾
更新日時
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トランプ米大統領は中国習主席との早期会談を望むー大統領顧問
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米上下両院担当は国境警備予算で原則合意、円は対ドルで年初来安値


Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg
Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg
12日の東京株式相場は大幅に反発し、日経平均株価の上昇率はことし最大。先週末に広がった米中貿易協議への悲観的な見方が後退したほか、米政府機関の閉鎖回避に向けた動きを受けて投資家心理が改善した。為替相場の円安推移で機械や電機、自動車など輸出関連が上げを主導した。
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コンウェイ米大統領顧問は11日、トランプ大統領が貿易戦争の終結を目指し、中国の習近平国家主席と会うことを依然望んでいるとFOXニュースとのインタビューで発言。米上下両院の交渉担当者は国境警備予算を巡り「原則合意」に達した。きょうの為替市場でドル・円相場は一時1ドル=110円65銭と、前週末の日本株終値時点の109円74銭から円安に振れた。
みずほ証券の三野博且シニアストラテジストは「貿易問題で米中首脳が会談する可能性が伝わり、摩擦緩和期待が持ち直している」と話した。米中通商交渉は次官級会合に続いて週後半には閣僚級も予定されており、話し合いは順調とした上で「米国の対中関税引き上げの猶予も期待できる」とみる。
為替相場の円安推移も上昇要因となる中、米政府機関の閉鎖回避に向けた動きが伝わり午後に一段高となった。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、米中摩擦の緩和期待と米政府機関の閉鎖回避を「『ダブル』の買い材料と判断したAIやアルゴ系など短期筋による先物の買い戻しが入っているようだ」と話していた。

- 東証1部33業種は機械、電機、輸送用機器など輸出関連のほか、医薬品や化学、保険が上昇率上位
- 石油・石炭製品と不動産は下落
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