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日本だけでない英EU離脱への困惑-貿易協定締結は困難伴う恐れ

  • EU離脱した方がより成功できるという考えには困惑の方が強い
  • 英国は「太平洋から少し距離がある」とオーストラリア貿易相

駐英大使を務めた野上義二氏(元外務事務次官)は、日本からの主要な対英投資のアレンジに幾つか携わり、英国民を実際的かつ実用的な人々だと考えるようになった。欧州連合(EU)からの離脱が国民投票で選択されるまではそうだった。

  2016年の国民投票結果に対する野上氏の反応は、英国は「正気を失ったのか」というものだった。「混乱が生じることはその時点で分かっていた」と同氏は振り返る。

  日産自動車はスポーツタイプ多目的車(SUV)「エクストレイル」の次世代モデルをイングランド北東部のサンダーランド工場で生産する計画を先に撤回し、日立製作所も原発建設計画の凍結を発表した。英国進出企業の主要輸出先であるEUとの離脱協定がいまだに締結されない状況で、さらなる打撃を被る現実の危険があり、脅威が拡大しつつある。

  こうした英国への不信感は世界中に広がっている。英連邦の一員であるオーストラリアとカナダにとっても、より「グローバルな英国」はEUを離脱した方がより成功できるという考え方には、困惑の方が強い。英国が選んだ道への理解が広く欠ける状況は、メイ英政権が現時点で約束するよりも貿易協定の締結がより困難を伴う可能性をうかがわせる。

  例えばインド政府は、旧宗主国の英国の運命よりも切迫した問題を抱えていると与党当局者は語っており、ニューデリーの発展途上社会研究センター(CSDS)のディレクター、サンジェイ・クマー氏は、インド人にとって英国は、最も重要な5カ国の一つに恐らく入らないとの見方を示した。  

  また、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドによれば、同国のバーミンガム貿易相は、EU離脱後に環太平洋連携協定(TPP)に参加したいという英国の願望を酷評し、TPP参加11カ国には優先課題がそれ以外にあると主張。英国は「私が前に確認した限り、太平洋から少し距離がある」と同貿易相は先月語った。

 

Nissan Motor Co. Starts Production Of Infiniti Q30 Vehicles

日産サンダーランド工場のインフニティQ30生産ライン

写真家:Luke MacGregor / Bloomberg
Manufacturing Of Trains At Hitachi Rail Europe Ltd.'s Rail Vehicle Manufacturing Facility

ニュートンエイクリフにある日立の鉄道車両製造施設

写真家:Matthew Lloyd / Bloomberg
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安倍晋三首相とメイ英首相(1月10日)

写真家:Will Oliver / Pool via Bloomberg

原題:Brexit Britain Is a Foreign Country to World Looking on Bemused(抜粋)

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