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米国の対日サービス黒字は静かに拡大ートランプ政権の関心は物品赤字

  • 日本は米国サービス輸出の第3位の市場、通信や保険などで稼ぐ
  • サービスは「トランプ氏の支持基盤ではない」-伊藤忠の武田氏

トランプ米大統領が日本の主要産業である自動車をはじめとした物品取引による対日貿易赤字の是正を要請する中、米国はサービス分野では日本に対する黒字幅を徐々に膨らませている。米国は対日貿易赤字の一部を通信や保険などサービスの稼ぎで取り返している構図だ。

  財務省によると、2018年1-9月期の米国の対日サービス黒字は1兆3718億円と、黒字幅は前年同期比10%拡大した。最も伸び率が高かったのは「通信・コンピューター・情報」で同38%増の2740億円の黒字。「保険・年金」も同4%増の1500億円の黒字に伸びた。研究開発などを含む「その他業務サービス」の黒字幅が最も大きく、同12%増の1兆3710億円の黒字。

  米通商代表部(USTR)は昨年末、日本との2国間の通商交渉に向けた方針を公表し、改めて対日貿易赤字の削減を求めた。これに先立ち、在日米国商工会議所はUSTRに対して、日本は第3位の米サービス輸出国であり、日米の二国間協定は、金融や電子決済サービスなど潜在成長力のある米国のサービス部門が日本でさらに拡大することを可能にする条項を含むべきであると要望している。

米国の対日サービス黒字は拡大傾向

2017年には金融危機で落ち込んだ09年の2.7倍に膨らむ

出所:財務省

  リーマンショック後の09年を底に、米国は対日貿易赤字の拡大を余儀なくされる一方、対日サービス黒字を約2.7倍に拡大している。伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は、「実績を踏まえるとサービスセクターに着目したほうが合理的だが、支持基盤ではないので、敵に塩を送るだけになる」とし、サービス産業を強化しようという発想はトランプ大統領にはないとの見方を示した。

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