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Photographer: Bloomberg/Bloomberg
Cojp

商社決算、通期最高益の達成に各社自信-中国景気減速の影響は限定的

  • 三菱商、伊藤忠、丸紅3社は第3四半期累計でも過去最高益を更新
  • 住友商は4-12月期4%減益、三井物は通期利益予想100億円減額

総合商社5社の2018年度第3四半期(4-12月)連結決算が7日、出そろった。各社ともエネルギーや資源、小売り関連などの中核事業が好調で、通期では過去最高益を達成可能と強気の見通しを示した。三井物産以外は通期利益見通しを据え置いた。中国景気減速の影響は限定的とみている。

  三菱商事は液化天然ガス(LNG)などエネルギー事業やアジアの自動車事業などを中心に好調で、過去最高益を更新した。

  三菱商は、同社が筆頭株主の千代田化工建設の不振に伴う関連損失や、持分法適用会社のシンガポールに拠点を置く農産物商社オラム・インターナショナルへの投資の減損などの一過性損益で970億円の損失を計上。これにより通期利益予想に対する進捗(しんちょく)率は69%と低水準にとどまった。同社の増一行最高財務責任者(CFO)は2期連続での通期最高益の予想について「届くと思っている」と語った。

  住友商は、資源・化学品事業でマダガスカルのニッケル鉱山開発で損失が出たことや、輸送機・建機事業で前年同期に米国税制改正に伴う利益を計上したことによる反動が出て減益となった。通期予想に対する進捗率は約76%。

  丸紅の4-12月期純利益は同33%増の2196億円となり過去最高益を更新。エネルギーや紙パルプなどがけん引した。丸紅の矢部延弘CFOは、通期利益予想を据え置いた理由について「穀物と電力の案件で事業環境を踏まえ期末に資産価値を見直す可能性がある」と説明。最終的には約500億円程度を増減幅としてみていると明かした。通期予想に対する進捗率は95%。

  非資源の構成が約8割の伊藤忠商事も純利益は同11%増の3976億円と4年連続で第3四半期として過去最高益を更新。食料事業では、ユニー・ファミリーマートの事業が堅調に推移し、連結子会社化に伴う再評価益などが寄与した。

  伊藤忠の鉢村剛CFOは「特筆すべきは全営業セグメントで前年同期比で増益」と強調した。通期利益見通し達成で「着実に収益を積み上げている」とした。通期予想に対する進捗率は80%。通期で最高益を達成すれば、三菱商と住友商、丸紅が2期連続、伊藤忠は3期連続、三井物は7期ぶりとなる。

  三井物は前年同期に計上した同社出資の鉄鉱石生産会社ヴァーレの非連結化に伴う再評価益や英国水力発電所の売却益を計上した反動が出て減益。さらに、ヴァーレの鉱山ダム決壊事故で配当を見送ったことから通期利益見通しを当初予想から100億円減額修正し4400億円とした。それでも過去最高益の更新は依然可能とみている。三井物の内田貴和CFOは、今年度内は財務面ではヴァーレの悪影響はこれ以上出ないと言明した。

米中首脳会談を注視

  決算会見では、中国経済減速の影響についての質問が相次いだ。住友商の高畑恒一CFOは、中国での自動車部品や電子部品などの販売で影響はいずれ出ると予想。三井物の内田CFOも「減速感は顕在化している」と指摘した。化学品分野では原材料となるプラスチックの荷動きや電子部品関連などで「多少下振れの傾向が見られる」と語った。

  ただ、両社とも自社の業績全体への影響は大きくないと明言した。三菱商の増CFOは、中国の景気はやや減速気味だとした上で「中国では事業を手広く実施しておらず、当社への影響はかなり限定的」とした。伊藤忠の鉢村CFOは「若干のスローダウンは感じている」と説明。出資先の中国政府系企業、中国中信集団(CITIC)の業績は順調で、また中国向けの伊藤忠の直接ビジネスは全体の利益のうちわずかであり「大きなインパクトはない」と述べた。

  丸紅の矢部CFOは、中国関連では、「次回の米中首脳会談でどのように解決するのかが穀物事業では大きな要素になる」とし、仮に米中の貿易摩擦解消に向けた協議が前進すれば、事業環境も大きく改善する可能性もあるとして、注視していると述べた。

【総合商社5社の業績一覧】 

会社名18年4-12月純利益19年3月期純利益予想一株利益
三菱商4,422億円(6.2%)6,400億円(14.3%)403.45円
三井物3,501億円(▲7.1%)4,400億円(5.1%)253.17円
伊藤忠3,976億円(11.3%)5,000億円(24.9%)323.44円
住友商2,418億円(▲4.4%)3,200億円(3.7%)256.33円
丸紅2,196億円(33.3%)2,300億円(8.9%)130.10円

(注:カッコ内は前年同期比%、全社国際会計基準)

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