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日銀は足元の金利低下に対して動けずとの見方、政策修正が裏目

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Speaks At News Conference Following Rate Decision
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Speaks At News Conference Following Rate Decision
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

長期金利がマイナス圏で推移する中でも、日本銀行は国債買い入れオペの減額で金利低下を和らげるなどの対応を取りづらくなっているとの見方が出ている。日銀が2018年7月末に行った長期金利の変動幅を上下に拡大する金融政策の修正がかえって裏目に出た格好だ。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「足元ではグローバルな環境が逆方向になっているが、政策のフォワードガイダンスを導入して、金利の変動を上下両方向に容認してしまっているため、日銀は金利低下を止めに行けなくなっている」と指摘した。

  政策修正は、低迷していた国債市場の機能度を高めるという名目だったが、長引く低金利で国債の投資収益圧迫などの副作用が批判されていたため、市場では日銀の意図はプラス幅を引き上げることだと解釈された。副作用を軽減するためには現状の金利低下に歯止めをかけたいはずだが、手を出す大義名分がないとみられている。

  日銀の黒田東彦総裁は昨年12月の定例会見で、ゼロ%程度を誘導目標としている長期金利について、上下0.1%の倍程度とする範囲内であればマイナスになっても問題ないとの認識を示した。

2018年は前年と変わらず

  最近の急激な金利低下は世界経済の不透明感の強まりを背景としており、そこで日銀がオペを減額することは思わぬ金融引き締め観測と円高リスクにつながりかねない。メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「円高になると、日銀は動けないだろうという観測も生じやすくなる」と指摘した。

  ブルームバーグのデータによると、18年の長期金利の変動幅は16.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、前の年と同水準にとどまった。長期金利の指標とされる新発10年国債利回りは1月4日にマイナス0.05%と、2年ぶりの水準まで低下。超長期債利回りは足元で軒並み16年以来の低水準まで達しており、政策修正前に逆戻りした格好となっている。

市場関係者のコメント

三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト
  • 今年は日銀の政策正常化が現実的に厳しい状況が続くだろう
  • 金利の変動幅をさらに拡大するという臆測もあったが、そういった状況ではなくなっている
  • 政策変更が無理という見方に市場が傾いている中で、今年は淡々と超長期債の利回りをつぶす動きがメイントレンドになりそうだ
野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
  • 世界的なフラット化傾向や、インフレ低下で超長期ゾーンの利回りがより下がりやすいという地合いはすぐに変わる感じはない
  • 日銀は今のインフレ水準からすると、緩和策を解除する必要もないし、国内景気はまだ緩和を強めなくてはいけない状況でもない
  • 日銀は動かないということ
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