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日産に救われた英サンダーランド、EU離脱支持した工場労働者は複雑

日産自動車の英サンダーランド工場で20年間働いてきたリサ・ローリーさんは、大半のサンダーランド市民と同様に、2016年の国民投票で欧州連合(EU)離脱に支持票を投じた。

  日産が同工場での新モデル生産計画を撤回したことを受け、ローリーさん(47)は自分の判断が正しかったのか考えるようになった。日産は撤回の理由の一つにEU離脱を挙げた。地元政治家や企業幹部から聞かされた離脱後のシナリオはもはや、「空想」として一笑に付すことはできないとローリーさんは感じている。

  サンダーランドの国民投票結果は、61%が離脱支持だった。米国でトランプ大統領を誕生させたのと同様の反主流派のうねりや、移民への反感、取り残されているとの意識などが熱狂的な離脱支持につながった。いまやサンダーランドはこの結果が招いたあおりをまともに受けている。長期化するEU離脱交渉に振り回され、経済の先行きはいっそう怪しくなった。

Nissan Motor Co. Qashqai SUV And Leaf Automobile Production

サンダーランド工場で日産「キャシュカイ」を組み立てる従業員

写真家:Chris Ratcliffe

  サンダーランド工場は英国最大の自動車工場で、地域経済の屋台骨を担う。主要産業だった石炭採掘と造船が衰退し、国内最悪の失業率と貧困にあえいでいたところに、日産は進出。現在7000人を直接雇用するほか、サプライヤー企業の合計2万8000人の雇用を支える。同工場の昨年の生産台数は44万2000台に上った。

  「サンダーランドの住民は日産工場で働いているか、働いている人を知っているかのどちらかだ」と、タクシー運転手のミック・ジョンソンさんは語る。訪問者を工場まで送っていくことがよくあるジョンソンさんは、国民投票ではEU残留に票を投じたという。

Driving a Region’s Economy

Nissan Sunderland makes one-third more cars than its nearest rival

Source: SMMT 2018 data/JLR FY 2019 projection

Note: Annual production figures for U.K. plants

  日産は同工場の従業員に対し、「キャシュカイ」や「リーフ」など既存の生産モデルに対する将来の投資については心配ないと話している。だが、労組ユナイトの製造業部門代表スティーブ・ターナー氏は、「エクストレイル」の決定をとっかかりに事態が発展する懸念を指摘。「3月29日に合意なしにEUから離脱すれば、日産は決定を見直すだろう。それが現実だ。日産はEU離脱議論の展開にますます神経をとがらせている」と述べた。

  サンダーランド工場の従業員の間でも見方は割れている様子だ。8時間シフトから上がったばかりのデービッドさん(19)は、大量解雇があるとの見方がある一方で、単なるデマだとのうわさもあると話した。ほかの従業員2人は一部の政治家が不安をあおっているが、合意なき離脱を恐れる理由は何もないとし、「工場はまだここにある」と語った。

原題:Brexit Blow Brings Regret and Defiance in City That Needs Nissan(抜粋)

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