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トヨタが今期純利益予想を1兆8700億円に減額、市況悪化で株評価損

更新日時
  • 収益改善道半ば、需要変動に対応できない車種や地域もー友山副社長
  • 今期純利益予想1兆8700億円に下方修正-米会計基準の変更で評価損
Toyota Motor Corp. Akio Toyoda Announces Fourth-Quarter Earnings Results
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Toyota Motor Corp. Akio Toyoda Announces Fourth-Quarter Earnings Results
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

トヨタ自動車の2018年10-12月期の営業利益は前年同期比0.4%増の6761億円と微増だった。市場予想は上回ったものの、主力の北米事業の収益性が改善せず中国市場も不透明感を増す中、決算会見ではトヨタの幹部からは先行きを警戒する声が聞かれた。

Toyota Vehicles Bound For Shipment Ahead of Earnings Announcement

名古屋港で輸出を待つトヨタ車

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  トヨタの発表資料によると、10-12月の営業利益は労務費や研究開発費の増加などを為替変動や金融事業のプラス影響などで補い、増益を確保した。地域別ではトヨタの主力市場である北米で前年同期比2.2%減の264億円と収益性を改善できなかった。競争激化で業界全体としてインセンティブ(販売奨励金)が高水準で推移していることが背景にある。

  一方、日本は同4.5%増の4925億円と全体の7割以上を占め、輸出の規模も大きい日本事業への依存が高まった。

  白柳正義執行役員は6日、都内での会見で北米市場について「課題である奨励金は適切にコントロールしている」としながら、「以前に比べて収益率は落ちている」と述べた。「あらゆることに取り組んで収益構造の改善を目指しており、奨励金は通期では前年を下回る可能性も出てきた」という。今年は米国で前年比約2%減となる237万台の販売を目指したいとした。

北米の収益回復は道半ば

トヨタの4-12月期累計の地域別営業利益

注:金利スワップ取引などの評価損益を除いたベース(単位は100億円)

  米国を上回る世界最大の市場で景気が減速傾向にある中国では昨年、トヨタは目標を上回る約147万5000台を販売。今年は8.5%増の160万台を目指しているが、白柳氏は「中国市場はまだ不安定な状況であり、よく注視していきたい」と述べた。

  トヨタ社内で競争力向上に向けた業務改善活動に取り組む友山茂樹副社長は「需要の変動に対応できていない車種や地域があることも事実」との見解を示し、収益改善に向けては「まだまだ道半ば」としながら、「車輪が少しづつ回り始めた感はある」とも述べた。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは、トヨタの中国や東南アジア、日本などでの業績が力強いのに対し、米国は弱いとまでは言えないと指摘。ただ日本から米国には大量の車が輸出されており、今後の懸念材料は日米間の貿易問題でトランプ政権からの圧力が心配の種になるだろうと話した。

  通期の為替レートの前提を1ドル=110円、1ユーロ=128円とユーロについては従来の見通しから2円円高方向に修正した。通期の連結販売台数は895万台と従来予想から5万台引き上げた。

新たなリスクにも

  一方、トヨタは今期(19年3月期)の純利益見通しを前期比25%減となる1兆8700億円に下方修正すると発表した。米会計基準のルール変更で子会社や関連会社以外の保有株を時価評価したことで評価損が発生したことが影響した。従来予想は2兆3000億円で市場予想の最低値も下回った。

  トヨタの発表資料によると、下方修正の背景には、10-12月期に未実現持分証券評価損益で3954億円のマイナス影響が発生したことがある。白柳氏は株式市況の悪化で子会社や関連会社以外の保有株を時価評価し、損益計算書に反映させたことで評価損が発生したと説明した。主に国内企業の株式だといい、4-12月期の累計ではマイナス影響は3100億円になるという。

トヨタ3Q決算の要旨
通期見通しを修正
  • 売上高:29兆5000億円→(市場予想平均29兆9043億円)
  • 営業利益:2兆4000億円→(同2兆5586億円)
  • 純利益:1兆8700億円↓(同2兆3517億円)
10-12月実績
  • 売上高:前年同期比2.6%増の7兆8015億円(市場予想平均7兆5762億円)
  • 営業利益:同0.4%増の6761億円(同6639億円)
  • 純利益:同81%減の1809億円(同5878億円)

  
  遠藤アナリストは会計上の問題で実質的な損失ではないとしながら、純利益や一株当たり利益(EPS)には影響が出るため、今後のトヨタの決算の新しいリスクの一つになるかもしれないと話した。

  午後の決算発表を受けて株価は下落。一時前日比1.5%安の6650円まで値を下げた。終値は0.7%安の6703円だった。

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