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【コラム】FOMCは市場の要求に満額回答-エラリアン

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Photographer: Al Drago/Bloomberg

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市場の意のままになるのではなく、むしろ市場をリードしようとしたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる当局の最初の試みが、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)であえなく終わったという分析にFRBウオッチャーは即座に同意するだろう。

  恐らく意見が分かれるのは、金融当局による従来の政策からの転換の主な理由であり、それこそが市場動向に翻弄(ほんろう)されない政策運営を目指して、当局があらためて挑戦するかどうかを決める鍵となるだろう。

  パウエル議長は就任当初、漸進的で着実な利上げ、有意かつさらなる利上げのシグナル、分かりやすく説明した上での予測可能なバランスシート縮小を3本柱に、金融政策の正常化に重点を置く姿勢を市場に伝えようとした。

  しかし、世界的な成長鈍化や米中通商摩擦などを背景に、市場は次第に当局のこうしたアプローチへの不安を強め、金融当局者が不確実性の高まりに敏感な反応を示すよりも、むしろ今年2回の利上げ見通しを示し、バランスシート正常化は「自動操縦」と繰り返したのを受けて、相場急落につながる形となった。

  秩序を欠いた相場下落の恐れも目の当たりにして、金融当局者もメッセージ変更を余儀なくされた。昨年12月公表のドット・プロット(金利予測分布図)で示されたよりも緩やかなペースでの追加利上げを支持したり、バランスシート縮小についても弾力的に対応する可能性を示唆したりする発言が相次いだ。

  1月30日のFOMC声明は、金融当局が追加利上げに「辛抱強く」なることができ、バランスシート縮小にも柔軟に取り組むという、投資家が最も望んでいた2つの要素を盛り込んだ。声明を好感して株価が上昇し、ドルは下落、債券利回りは低下と、市場は典型的な反応を示した。

  金融当局による180度の転換の背景としてアナリストらの間では、いざとなったら市場は当局を従わせることになるという教訓をパウエル議長らが学んだとする説や、当局が政治的圧力に屈した証拠とする見方が浮上している。

  さらに、欧州や中国の減速に米経済が敏感であることを認めたものだとの解釈のほか、鈍化が見込まれる1-3月(第1四半期)の国内総生産(GDP)について、一部政府機関閉鎖の影響以外の要因が作用していることを当局が察知した兆候と受け止める向きもあるかもしれない。

  これらのうち最初の2つの説明は、金融当局が市場を下支えする「プット」を復活させたという趣旨だ。残りの2つは当局が今後、本格的な政策転換に踏み込む可能性を示唆する。

  私見で最もピンとくる解釈は、異例の金融緩和策を巻き戻す取り組みが大方の想定よりもずっと困難である状況が明らかになったというものだ。そして、世界経済に顕著な改善がない限り、こうした状況がすぐに変わるとは思えない。この結果、金融当局は以前のようなボラティリティーを抑制する役割から打って変わり、意図せずともそれを時折増幅させる事態が今後も続くと想定される。

(このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:Fed Gives the Markets What They Want: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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