コンテンツにスキップする

ファナック株が高い、稲葉会長が受注「底割れない」-業績減額も続伸

更新日時
  • 10-12月期、FA部門で中国や台湾が急激な落ち込み、韓国も減速
  • 受注「底をはっている」、「実需に近い受注も得られ始めた」-会長

ファナック株が買われた。前日発表した決算では今期(2019年3月期)の連結営業利益計画を下方修正したものの、稲葉善治・会長兼最高経営責任者(CEO)は受注動向について厳しい状況が続くと指摘した半面、底割れはないとの見方も示した。

  株価は一時4.3%高の1万9140円と3日続伸。およそ1年前に上場来高値となる3万3450円を付けた後、中国向け需要を中心とした業績の先行き懸念から足元では2万円を下回っている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の佐々木翼アナリストはリポートで、「決算電話会議で経営陣は需要が下げ止まりつつあることを強調したため、株価の底値固めが進む」とポジティブに評価した。固定費増加と需要低迷で20年3月期は業績低迷が続く可能性は高いが、今後は需要の回復時期を探る展開になるとみている。

  ファナックが1月31日に公表した新たな今期営業利益見通しは従来計画から2%下振れ、前期比36%減の1479億円。市場予想の平均も下回った。IT関連需要の低調に加え、貿易摩擦の影響の広がりや為替動向などで予断を許さない状況が続く、としている。稲葉会長は電話会議で、「受注、売り上げは厳しい状況が続く。受注が減っており、売上原価率を押し上げている」と説明した。今期の売上原価率は60%と、前期55%からの上昇を見込む。

業績予想
  • 売上高予想6269億円、従来予想6260億円、市場予想6452.7億円
  • 営業利益予想1479億円、従来予想1509億円、市場予想1701.4億円
  • 純利益予想1419億円、従来予想1423億円、市場予想1498.2億円

  同時に公表した18年10-12月期(第3四半期)決算は、営業利益が前年同期比42%減の357億円。工場自動化(FA)部門は国内や欧州、インドは高水準で推移した半面、中国や台湾が急激に落ち込み、韓国も減速した。

  ロボット部門は米州が設備投資の谷間だったほか、中国では一般産業向けが弱い動きとなり、ロボドリルはIT関係の一時的需要がなくなった。部門別受注高では、FAが前四半期に比べ5.2%、ロボットが11%、ロボマシンが8%減った。

10-12月期業績

  • 売上高1511億円、市場予想1459億円
  • 営業利益357億円、市場予想358億円
  • 純利益471億円、市場予想327億円

  稲葉会長は受注動向について、「底割れはないだろう。第3四半期が底だろう」との見方を示した半面、「いつ回復してくるかは全く見えない。それが課題で、米中貿易摩擦の出口が見えない」と述べた。FA向けは中国の需要減が「底をはっている状態」で、「実需に近い受注が得られ始めている」とも言う。

  このほか、設備投資や研究開発費については「高原状態を維持する。景気に波はあるが、継続的に行う必要がある」との認識を示した。

Opening Day of The Robot Development and Application Expo

ファナックの協働ロボット

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ファナックの業績は米中貿易摩擦の影響を受けており、昨年10月にも今期の業績計画を下方修正していた。同社は、工作機械などに組み込むコンピューター数値制御(CNC)装置で世界シェアトップ。CNC装置を含むFAと産業用ロボット部門の売上高が全体の6割以上を占め、スマートフォンや自動車生産の動向に敏感だ。

  日本工作機械工業会によると、19年の工作機械受注額は1兆6000億円と前年実績(推定)に比べ12%減少すると見込まれている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE