コンテンツにスキップする

【UKインサイト】メイ首相勝利、合意なき離脱リスク高める恐れ

更新日時
  • 離脱協定案に再交渉の余地はないとEU側ははっきりと表明
  • いかなる確約も離脱協定案より下位に置かれることがほぼ確実
U.K. Prime Minister May And European Commission President Juncker Discuss Post Brexit Plan Before EU Summit
Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg
U.K. Prime Minister May And European Commission President Juncker Discuss Post Brexit Plan Before EU Summit
Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

メイ英首相は、欧州連合(EU)との離脱合意案の下院での修正審議・採決で29日に勝利し、EUとの再交渉に向けて議会の負託を受けた。しかし、そこには問題が潜んでいる。離脱協定案に再交渉の余地はないとEUがはっきり表明している点だ。メイ首相は無秩序な「合意なき離脱」の危険を目の当たりにすれば、自分が支持する案を議会が通過させると恐らく踏んでいるに違いない。そうでなければ、総選挙か離脱を再び問う2回目の国民投票が視野に入ることになる。

  • 29日の下院で3月29日の離脱予定日の延期を目指す修正が否決された。合意なき離脱に伴う混乱を避けるため、メイ首相が支持する案が可決されるチャンスが増したと言えるかもしれないが、合意なき離脱のリスクがこれで高まる。EU離脱を巡る混乱の解決策のどれを取っても、成功の確率が50%を超えるとは今も思えない。離脱の先行きの正しい予測よりも見通しを誤る危険の方が高いことをそれは意味している
  • 与党保守党のブレイディ議員らが提案した修正案は賛成317、反対301で可決された。ブリュッセルに戻り、アイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置回避を保証する「バックストップ」条項の再交渉を目指すために必要な議会の多数の支持がメイ首相に与えられた。だがバックストップは法的拘束力のある「離脱協定案」の一部を構成し、再交渉の余地はないというのがEUの立場だ。首相は何らかの確約(真新しい文書に記載されるかもしれない)を持ち帰ることになりそうだが、いかなる確約も法的文書の離脱協定案より下位に置かれることがほぼ確実であり、議会で多数の支持を確保するには十分でない可能性が高い
  • 無秩序な離脱を回避するため、メイ首相自ら離脱期限の延期を選択することもあり得る。合意なき離脱の原則拒否を求める修正が29日に議会で多数の支持を得た。それでも、意味のある方向転換もなく離脱期限の延長を認めることにEUは慎重になると予想される
  • 期待が持てないEUからの土壇場の譲歩がやはり得られない場合は、大惨事の回避は英国の対応にかかってくる。かつて造反した保守党議員らが首相案支持でまとまるか、超党派の合意という形でそれは実現するかもしれない。最大野党・労働党のコービン党首は、首相との超党派の協議に参加する用意があると29日語った
  • いずれの離脱案も議会で多数の支持が得られず、総選挙か2回目の国民投票が行き詰まりを打開する唯一の手段になることもありそうだ。EUは2016 年の国民投票結果が覆されることを期待し、どちらの選択肢でもEU離脱手続きを定めるリスボン条約50条の適用延長を受け入れる公算が大きい
  • 英語の原文をご覧になるにはこちら U.K. INSIGHT: May’s Win Serves as a Reminder of ‘No Deal’ Risk
relates to 【UKインサイト】メイ首相勝利、合意なき離脱リスク高める恐れ


BE’s Medium-Term Forecast Table (Deal)

relates to 【UKインサイト】メイ首相勝利、合意なき離脱リスク高める恐れ


BE’s Medium-Term Forecast Table (No Deal)

relates to 【UKインサイト】メイ首相勝利、合意なき離脱リスク高める恐れ

BE’s Medium-Term Forecast Table (Remain)

relates to 【UKインサイト】メイ首相勝利、合意なき離脱リスク高める恐れ


(今後予想されるシナリオを追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE