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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
cojp

サンバイオ株急落、バイオ株や新興株へ「需給のドミノ倒し」の声

更新日時
  • 「SB623」が米国での脳梗塞のフェーズ2b治験で主要項目未達
  • バイオ関連株も軒並み安、マザーズ指数は1年ぶり下落率

30日の東京株市場でサンバイオ大日本住友製薬が急落し、その余波がバイオ関連株や新興株市場全体へ波及した。サンバイオはバイオ相場を足元でリードしてきただけに、同社株の治験結果に対する失望は投資家のリスク許容度低下や株式需給面に影響を与えている。

  サンバイオは前日比26%(3000円)の8710円、大日本住友は同19%(700円)安の3065円とそれぞれストップ安で取引を終えた。サンバイオは取引時間中、発行済み株式総数約4970万株に対して売り注文が1200万株を超える場面があった。そーせいグループやオンコリスバイオファーマ、アンジェスなど他のバイオ関連株も軒並み安となった。

Inside BeiGene Ltd.'s Research and Development Center

バイオ医薬品への期待は高いが

Photographer: Gilles Sabrie/Bloomberg

  リブラ・インベストメントの佐久間康郎社長は「外部投資環境に不透明感がある中で、個人投資家はサンバイオの材料をもとに新興バイオ関連株への集中投資を積極化させてきた」とした上で、「個人投資家はほとんど信用取引でバイオ関連株を買っていたことから、1銘柄が暴落すると追い証が発生して同じ個人投資家好みの銘柄に需給面でのドミノ倒しが起きやすい」と述べた。

  サンバイオは信用取引の制度上からはショートを振りにくく、25日時点の信用買い残は344万株と、売り残の1300株に比べて大きく買いに傾いていた。サンバイオ株の急落を受けて他のバイオ関連株だけでなく、メルカリやUUUMといった新興株も売られ、マザーズ指数は終値で8.1%安と、2018年2月以来(9.2%安)となった。「サンバイオ株の売り注文の多くが個人投資家による信用買いの投げの可能性がある。同社株急落が新興市場全体に影響を与えている」と、リブラ・アセットの佐久間氏はみる。

  サンバイオと大日本住友は29日、共同開発している再生細胞医薬「SB623」が慢性期脳梗塞を対象とした米国での治験フェーズ2bで主要評価項目を達成できなかったとの解析速報を発表した。アナリストは同試験結果をネガティブサプライズとリポートで指摘している。サンバイオは外傷性脳損傷に関する日米グローバル第2相試験で主要評価項目達成と発表した昨年11月1日終値3685円から今月29日終値1万1710円まで3.2倍、大日本住友は同2152円から3765円まで75%高となっていた。

アナリストの見解は以下の通り。
<SMBC日興証券の中沢安弘アナリスト>

  • 慢性脳梗塞よりも成功ハードルが高いとみられていた外傷性脳損傷を対象とした日米P2試験で主要評価項目を達成したことが2018年11月1日に発表され、同試験の成功確率も高まったとの観測で株価は急騰しただけにネガティブサプライズ
  • 大日本住友も含め株価への影響は甚大となろう
  • 昨年11月のリポートではベアシナリオで米国の慢性脳梗塞の成功確率を30%とした場合に理論株価3800円と試算
  • 現在のサンバイオの投資判断は「中立」、目標株価8800円

<みずほ証券の野村広之進アナリスト>

  • 昨年11月の外傷性脳損傷のP2試験が成功していたこと、慢性期脳梗塞の方が外傷性脳損傷より臨床データの蓄積が豊富であったこと、エンドポイントのハードルも低いことから、同証やマーケットもフェーズ2b試験成功の可能性が高いとの考えが大半であったとみられる
  • 試験結果はネガティブサプライズ、今後の株価への悪影響が懸念される
  • 仮に現時点で業績予想モデル(脳出血を含まない)から単純に日米の慢性期脳梗塞に関連する収入、支出を除いた場合には、目標株価は1500円前後と試算
  • 現在のサンバイオの投資判断は「買い」、目標株価7800円
昨年11月以降に急騰

 

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