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英保守党内で急浮上の「モルトハウス妥協案」、EU離脱再交渉にらむ

28日遅くに英保守党議員らの間で、欧州連合(EU)離脱案の仲介をするため一部議員が秘密の会合を開いているとの知らせが電話で広がった。この会合でまとまった案は、会合に参加したモルトハウス住宅相の名前にちなんで、「モルトハウス妥協案」と呼ばれるようになった。

Kit Malthouse

キット・モルトハウス住宅相

Photographer: K. Y. Cheng/South China Morning Post/South China Morning Post

これがなぜ、関心を集めているのか

  参加した顔ぶれが興味深いからだ。モルトハウス氏はEU離脱派の先頭に立っていたジョンソン元外相と長らく協力関係にある。さらに離脱強硬派グループの中心人物、リースモッグ議員とベイカー議員もいる。一方、離脱は反対ながら避けられないと理解しているモーガン元教育相や、EU離脱反対のため昨年党内で造反を起こしたスティーブン・ハモンド保健相らも加わっている。従って、モルトハウス案は保守党内のさまざまな立場の議員が寄り集まって合意した妥協と言える。

案の内容は

  モルトハウス案の「プランA」は、争点となっているアイルランド国境問題をテクノロジーを活用した解決策に置き換えることをEUに要請するよう、メイ首相に促すものだ。それがうまく行かない場合、「プランB」で「管理された合意なき離脱」に導くことを目指す。この管理された合意なき離脱では、EUが移行期間設定を受け入れるのと引き換えに、英国はEUにその期間の拠出金を支払うことを提案する。

EUはすでに、このすべてを拒絶したのではなかったか

  その通り。英シンクタンク、欧州改革センターのサム・ローウェ氏は「モルトハウス案に目新しい部分はほとんどない」と指摘。同案が唱える国境管理策は、EUからすでに何度も否定された英国のテクノロジー活用案の詳細バージョンに過ぎないとの見方を示し、「EU離脱交渉の大半がそうであったように、英国内の離脱強硬派にとって受け入れられる内容を練り上げることに多くの時間が割かれ、EUの立場や、EUがそれを守ろうとする理由の理解には、ほとんど時間を使っていないように見える」と語った。

原題:The Tory ‘Malthouse Compromise’ and What It Means for Brexit(抜粋)

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