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メイ首相が土壇場の賭け、敗北なら離脱の主導権は議会に-29日に採決

  • 労働党はクーパー議員らの案に賛成するよう指示を出す構え
  • メイ首相は離脱案を実質的に断念し、別の案の支持に方針を転換
メイ首相

メイ首相

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg
メイ首相
Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

英下院は29日夜、今月大差で否決した欧州連合(EU)との離脱合意案の修正審議・採決を行う。EU離脱の今後の方向を決める採決の結果次第では、メイ英首相が離脱プロセスの主導権を議会に奪われることもあり得る。

  メイ首相は15日の離脱案採決で反対に回った離脱強硬派の造反議員らの支持を取り付けるため、土壇場の賭けに出た。首相は28日夜の保守党議員らとの会合で、アイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置回避を保証する「バックストップ」条項の撤回を目指す案への支持を訴えた。これはEUと自ら取り決めた離脱案を実質的に断念し、別の案を政府として支持する方針転換を意味する。

  一方、最大野党・労働党指導部は、離脱案が下院で承認されない場合、離脱延期の要請をメイ首相に義務付ける超党派の修正案に賛成票を投じるよう下院議員らに指示を出す構えだ。同党のイベット・クーパー議員と保守党のニコラス・ボールス議員が提出した修正案が可決されれば、離脱プロセスを延期し、「合意なき離脱」を回避する権限が議会の手に渡る。そうした事態を阻止するため、首相は際どい闘いを強いられることになる。

  保守党議員委員会(1922年委員会)のブレイディ委員長と同党のアンドルー・マリソン議員による提案は、バックストップ条項を撤回し、「代替措置」を導入することを目指す内容。だがEU当局者の1人によれば、この修正がEUに譲歩を促すチャンスはほとんどない。

  保守党内の欧州懐疑派で構成する「ヨーロピアン・リサーチ・グループ」は、29日の採決直前まで態度を最終的に決めないが、これまでのところ首相の説得に応じる可能性は低いとしている。これに対し、クーパー議員らの提案は、「合意なき離脱」を阻止するため、必要なら離脱を延期させる権限を議会が確保したいと決意する議員らの支持がさらに集まることも予想される。

原題:May Faces Losing Control Over Brexit Despite Gamble on Backstop(抜粋)

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