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EU離脱延期か、バックストップはどうなる-29日採決予断許さず

更新日時
  • 労働党党首がどのような投票行動を指示するかも採決を左右
  • クーパー議員の案は労働党が支持すれば可決される可能性高い
relates to EU離脱延期か、バックストップはどうなる-29日採決予断許さず
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メイ英首相は29日、欧州連合(EU)離脱の今後の方向を決めることになりかねない離脱合意案の下院での修正審議・採決に臨む。

  超党派の支持を集めつつある修正案が可決されれば、離脱が延期される可能性が高い。一方、メイ首相が土壇場で方針転換し、支持を決めた与党保守党議員らの提案が勝利すれば、アイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置回避を保証する「バックストップ」条項を巡るEUとの再交渉に向け、強い負託を受けたと首相は主張することができるだろう。

  勝敗はそれぞれの陣営が支持する修正案が採決に付されるかどうかはもちろん、最大野党・労働党のコービン党首が下院議員らにどのような投票行動を指示するかに左右されそうだ。

  どの議案を採決するかはバーコウ下院議長が決定し、29日に発表するが、過去には予想外の決定もあった。これまで提出された主な修正案の要約は次の通り。

クーパー・ボールス離脱延期案

  労働党のイベット・クーパー議員と与党保守党のニコラス・ボールス議員は、無秩序な「合意なき離脱」の回避を目指し、3月29日の離脱予定日を延期せざるを得ない状況にメイ首相を追い込むことを狙う。リスボン条約50条の年末までの適用延長要請を首相に義務付ける法案の審議日程確保に向け、規則変更のための議会採決を求める修正内容だ。

  この修正が可決された場合、クーパー議員とボールス議員がまとめた実際の法案が2月5日に議会で審議されることになり、同月26日までに離脱案が下院で承認されない場合、年末まで離脱を延期する要請をEUに行うことが首相に義務付けられる。合意なき離脱を阻止する決意で造反に回った複数の保守党議員も修正案に署名しており、労働党が支持を決めれば、可決される可能性が高い。

バックストップ撤回案

  保守党議員委員会(1922年委員会)のブレイディ委員長と同党のアンドルー・マリソン議員は、「バックストップ」条項を撤回し、「代替措置」を導入することを提案。メイ首相は28日夜の保守党議員らとの会合で同案への支持を訴えた。

  だが保守党内の欧州懐疑派で構成する「ヨーロピアン・リサーチ・グループ」は、十分な意義が認められないと拒否しており、29日の採決直前まで最終的に態度は決めないが、これまでのところ首相の説得に応じる可能性は低いとしている。同じような修正が今月採決に付されなかった経緯もあり、今回採決されるという保証はなく、チャンスは小さいと考えられる。

関税同盟残留・再国民投票で議会採決求める労働党案

  労働党のコービン党首はさまざまな選択肢に関し、採決する機会を議会に与えるよう要求しているが、修正案は特にEUとの関税同盟への残留と、離脱を問う2回目の国民投票を可能にする議会採決を求めている。再国民投票を支持する保守党議員もコービン氏が署名した修正を後押しするとは考えにくいため、可決される可能性は低い。

U.K. Prime Minister Theresa May Presents Brexit Plan B to Parliament

メイ英首相

撮影: Luke MacGregor/Bloomberg

The Obstacles to a Second Referendum


原題:How Parliament Is Trying to Control Brexit and What It Means(抜粋)

(メイ首相の離脱案断念と方針転換について追加して更新します.)
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