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武田薬が最大5000億円の公募劣後債、年度明け検討-負債長期化へ

更新日時
  • 実質6年債のNC6、主幹事に三菱モルガンなど-複数の関係者
  • 2月中に投資家訪問を開始、4月以降の需要調査と起債を予定

武田薬品工業が日本勢で過去最大となる社債を公募する。シャイア-買収で増えた負債借り換えを含めて資金調達を長期・多様化する。

  複数の関係者によると、武田薬が検討しているのは劣後(ハイブリッド)債で償還期間が実質6年のNC6、発行額は最大で5000億円になる。ブルームバーグのデータで確認できる1999年以降で日本企業としては最大になる。主幹事には三菱UFJモルガン・スタンレー証券を筆頭に銀行系証券を含む複数社が内定した。武田薬は2月1日の決算発表後に投資家訪問を開始、新年度の投資マネーを取り込むため4月以降の需要調査と起債を予定している。

Takeda Pharmaceutical CEO Christophe Weber News Conference

武田薬のクリストフ・ウェバーCEO

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ハイブリッド債は元本と利息の支払い順位が低い分だけ絶対利回りが高めになるが、株式希薄化がない上に一部資本性が認められて格付け対策にもなる。武田薬は株価がシャイア-買収表面化以後に下げ足を速めている。負債増加を理由にスタンダード・アンド・プアーズは8日に格付けを「BBB+」に下げた。利回りの高さが需要を刺激して今年度のハイブリッド債は昨年度の4倍超で、武田薬もハイブリッド債を活用する。

  ある投資家は武田薬のハイブリッド債について、昨年から水面下で話は進み投資資金も準備しているとして、相対的に高い利率で人気があるため期待していると語った。武田薬の報道担当はハイブリッド債発行についてのコメントを控えた。事業会社の公募ハイブリッド債は日本市場では2015年に登場した。


拡大

  昨年12月5日の臨時株主総会で武田薬は、シャイア-買収について株主の承認を得た。日本企業で過去最大規模となる企業の合併・買収(M&A)になり、世界の製薬会社で売上高トップ10に入る。新薬開発コスト高騰に直面する医薬品メーカーの問題解決の方法としてクリストフ・ウェバー最高経営責任者(CEO)は、規模の拡大を上げた。その一環として時価総額が約50%上回るシャイアー買収に踏み切った。

  買収資金は620億ドル(約6兆8000億円)規模で、新株式のほか総額55億ドルのドル債、総額75億ユーロのユーロ債、75億ドルのタームローン(アレンジャーはJPモルガン、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行)、国際協力銀行からの37億ドルのローン、5000億円のショートタームローン(リードアレンジャー兼ブックランナーは三井住友銀と三菱UFJ銀)で資金調達した。このうちショートタームローンをハイブリッド債で借り換える形になる。

  武田薬は28日、大阪本社を含む不動産を譲渡することを決定したと発表した。譲渡益は約380億円で2018年度下期に計上するが、業績予想には織り込み済み。最大100億ドルのノンコア資産の売却も検討している。さらに新興国市場の資産の一部売却も検討するなど財務改善に向けた負債削減を進めている。

時期

  シャイア-買収に伴い財務も拡大しており、注力する領域以外の事業や固定化していた資産を流動化することで資本効率を向上させる。

  武田薬はハイブリッド債を4月以降に起債する意向だ。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ見送り予想が出ている上、米中関係や英EU離脱にも一定のめどが付いているとみられる。6月のFOMCや夏の参院選など市場変動要因前に、新年度早々の発行を目指している。

  同時にある関係者は、年限や発行規模は今後の市場環境次第で柔軟に変更する必要があると語った。不透明要因としては世界経済の先行き不透明性が高まることだ。足元の社債市場の環境では金利低下で売れ残りも珍しくない。実際に2000億円の調達を目指した12月の楽天債が1820億円にとどまった。

(第5段落以降にシャイア-買収の背景などを追加して更新します.)
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