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ゴールドマンやシティがP2PのIPO案件から撤退-中国の規制受け

  • 両行は360ファイナンスや嘉銀金科の米国IPO案件から手を引く
  • IPOの時期やP2P企業の先行き不透明感を大手銀は懸念

ゴールドマン・サックス・グループシティグループなどウォール街の金融機関はここ数カ月の間に、貸し手と借り手をインターネット上で結び付けるピア・ ツー・ピア(P2P)融資を手掛ける中国企業の米国での新規株式公開(IPO)計画から手を引いた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  大手銀が懸念したのは主にIPOのタイミングとP2P企業の先行き不透明感、市場低迷によるバリュエーションの低下だった。どの案件も新規公開企業は新たな引受業者を見つけてIPOを進めた。

  大手銀のこうした懸念は、既に金融機関や投資家、規制当局の信頼を失った同セクターの苦境を鮮明にした。引受業者は案件から手を引くこともあるが、同じ業種でこうした短期間に撤退が集中するのは異例。中国でかつて最も人気セクターの1つだった同業界にとっては劇的な方向転換だ。

  ボストン大学で金融学を教えるマーク・ウィリアムズ氏は「フィンテックのハブとしての中国の役割は、規制改革の実施や欧米諸国との政治的関係の冷え込み、景気減速を受けて劇的に変化した」と指摘。「フィンテック企業のIPOのチャンスに2017年に飛び付こうとしていた投資家はここにきて二の足を踏んでいる。成功の確率は低下し不確実性が増したからだ」と分析した。

  中国では12年に事実上ゼロからスタートしたP2P融資が2000億ドル(約22兆円)規模に成長したが、政府は金融システムのリスク抑制に乗り出し、投資家は与信引き締めや景気減速を背景に資金引き揚げを急いでいる。当局は中小規模のP2P融資プラットフォームを全国的に閉鎖に向かわせる方針だと事情に詳しい複数の関係者は昨年11月に話していた。

  関係者の1人によると、ゴールドマンは昨年11月、360ファイナンスの案件について、中国が規制を明確にし投資家の需要が回復するまでIPO延期を会社側に促したが不首尾に終わったことから、撤退した。シティグループは嘉銀金科の案件で同社の積極的な上場日程に同意できず、手を引いたという。関係者らは非公開情報であることを理由に匿名を条件に明らかにした。

  ゴールドマンとシティの担当者はコメントを控えた。

原題:Goldman, Citi Drop Peer-to-Peer Lenders After China Cracks Down(抜粋)

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