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EV需要など黒鉛電極の好環境続く、今期増収増益へ-東海カーボン

  • 黒鉛電極の値上げ効果が半導体関連事業の売り上げ減補う
  • 2年前と比べ黒鉛電極価格は5倍以上に上昇、さらなる値上げも可能

東海カーボンの長坂一社長は、今期(2019年12月期)も前期に続き収益が拡大するとみている。中国の環境規制や電気自動車(EV)ブームを背景に急拡大を遂げた黒鉛電極事業で製品の値上げが浸透し、米中貿易戦争のあおりを受けている半導体関連事業の売り上げ減少を補うとみている。 

  黒鉛電極は電気炉で鉄スクラップを溶かし鉄鋼としてリサイクルする際に欠かせない。長坂社長は今期以降についても「よほど経済が縮小しないかぎり、売り上げも利益ももう一段増える方向だ」と説明。詳細については2月に発表する決算と新中期経営計画で明らかにする方針だ。

Tokai Carbon's graphite electrodes

東海カーボンの黒鉛電極

Source: Tokai Carbon

  18年の営業利益は前年比6.5倍の750億円、売上高を2倍超の2300億円と予想。売上高営業利益率は30%を超え、素材産業としては異例の高さとなっている。

  中国が大気汚染対策で、鉄鉱石と石炭を原料に鉄鋼を生産する高炉より環境負荷が少ない電炉での生産を促していることなどから、17年以降、電極需給の逼迫(ひっぱく)が続いている。

  一方、昨年末にかけて米中貿易摩擦などによる景気減速懸念が金融市場に広がる中で、電極メーカー各社の業績拡大と株価急騰につながっていた黒鉛電極市況の先行きについても警戒感が強まり、昨秋以降、東海カーボンの株価は低迷。23日終値は1466円と昨年10月の上場来高値と比較して4割近く低い水準となっている。

  長坂社長は、足元で「絶好調」の黒鉛電極の現在の事業環境は少なくとも今後2-3年は続くと予想。EVにも使われる主原料のニードルコークスの調達が困難なことや、中国企業が増産しても品質的に直接競合しないことを理由に挙げる。

  電極価格が値崩れし、高収益が得られなくなると投資家が「疑心暗鬼になっている」のが株価低迷の背景と分析。「私は好環境は続くと言っている。電極の需要環境と電極で得られる利益率は当面変わらない」と主張する。

中国や欧州の景気動向注視

  同社は国内向けの黒鉛電極価格を、上期に1トンあたり150万円と昨年の下期に比べて25%引き上げた。国際価格についても1月から17%増の1万4000ドルに値上げした。2年前の価格2500ドルに対し、5倍以上に上昇している。長坂社長は下期についても、原料価格が高騰していることから同様の値上げも可能とみる。

  米中貿易摩擦について長坂社長は、「足元で大きく影響が出てきたとは感じていないが、今後じわじわと出てくるだろう」とみる。半導体向けのファインカーボン事業ではすでに販売が減少しており、この傾向が年内は続く可能性があるとしている。一方、電極を含むその他の事業については現段階で影響はないものの、中国や欧州の景気動向を注視していく必要があると述べた。 

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