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日銀総裁:米中貿易摩擦が長引けば世界経済に深刻な影響-会見

更新日時
  • 現時点で米中経済の見通し変えるほどのリスクは顕在化していない
  • 米中摩擦で中国からの受注が減少、輸出も影響受けてくる可能性

日本銀行の黒田東彦総裁は23日の定例記者会見で、米中貿易摩擦の影響について、現時点で両国経済の標準的な見通しを変えるほどのリスクは顕在化していないとしながらも、「長引けば世界経済に深刻な影響が出てくる」との認識を示した。

  黒田総裁は「資本財中心に中国からの受注が減っている」と指摘。「輸出も全般的に影響受けてくる可能性はある」とした上で、「米中摩擦や欧州のさまざまな要因が海外の下方リスクをやや高めているのは事実」と述べた。ただ、米中間の貿易交渉が進んでいるとした上で、「個人的意見として収束に向かうのではないかと期待を込めて思っている」と述べた。

  下振れリスクが顕現化した場合の対応については「経済・物価・金融情勢を見て必要があれば、もちろん追加的な措置も取る」と言明。手段についても、量的緩和や質的緩和など「非伝統的金融政策の余地は狭まっていない」との見方を示した。

  日銀は同日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決定。一方、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通しを2018~20年度まですべて下方修正した。

日銀決定会合に関する記事はこちらをご覧ください

  黒田総裁は「基本的に19年度の下方修正は昨年秋以降の石油価格の下落の影響が出てくるというものなので、われわれの物価の見通しが20年度に向けて大きく変わったわけではない」と説明。物価安定に向けたモメンタムは「しっかり維持」されているとした上で、金融政策運営は「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくのが最も適当である」と語った。

  年末年始の株式、為替市場の大きな変動については「先行きの不確実性に対してやや過敏であったと見受けられる」と指摘。「株価は年初の水準から幾分回復しているほか、為替相場も一頃に比べて落ち着き取り戻している」と語った。今年の注目点を問われると、春闘での賃上げと10月の消費増税を挙げ、後者については「正直言って、大きな影響はないと思っている」と述べた。

(第2段落以降に発言を追加して更新します.)
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