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米金融当局のバランスシート縮小、注目浴びてメッセージに「混乱」

  • 縮小プログラムはウォール街とトランプ大統領の非難の対象に
  • パウエル議長は30日の記者会見で政策スタンスについて説明か

米金融当局が極力目立たぬよう細心の注意を払ってまとめたはずのバランスシート縮小プログラムについて、当局は思わぬ誤算に見舞われている。

  昨年の12月の株価急落の一因として、投資家やトランプ大統領がこのプログラムをやり玉に挙げ、当局者の政策意図とは裏腹に脚光を浴びたためだ。

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は最近のリポートで、「バランスシート政策が市場参加者から突然、不本意な形でスポットライトに照らされたことで、この話題に関する米金融当局のコミュニケーションは混乱に陥った」と指摘した。

Shrinking Fed Balance Sheet

  連邦準備制度のバランスシート縮小の影響を巡っては、当局者よりも重大に受け止める見方もあり、投資家が当局の計画を分析しようと努めるのに当たって、市場に新たな動揺が広がるリスクがある。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は30日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でバランスシート縮小の手法を説明する機会を持つ。しかし、4兆1000億ドル(約450兆円)規模のバランスシートを月間最大500億ドルのペースで圧縮していくやり方に変更が加えられる見通しはない。今月のFOMCでは金利も据え置かれる見込みだ。

  米金融当局に不意打ちを食らわせたのはウォール街だけでない。トランプ大統領は、物価圧力が抑制されている現状で金融当局が進めるバランスシート縮小を攻撃。共和党議員は連邦準備制度のバランスシートが大きく膨らんだことを批判してきたが、大統領の非難の声にかき消されてしまった形だ。

  PGIMフィクスト・インカムのチーフエコノミスト、ネイサン・シーツ氏はトランプ大統領について、金融当局に対する市場の不安を重要なタイミングで「はっきり口にするという離れ業をやってのけた」と語った。

Volatile Stocks

  12月の大幅株安を受け、金融当局は量的緩和(QE)巻き戻しに関するメッセージを修正した。バランスシート縮小は自動操縦としていたのに代えて、あらかじめ設定されたコースにはなく、経済を成長軌道に保つために必要と判断すれば計画変更の用意があると説明している。

  問題は、こうした新たな方法が著しく説明不足で、さらなる不確実性を生じさせる可能性がある点だ。TDセキュリティーズでマクロ戦略に携わるマイケル・ハンソン氏はリポートで、「量的引き締めを巡って市場のパニックを落ち着かせようとする金融当局者の取り組みは一層の混乱のリスクを招く」と記した。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の米国金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は、金融当局がフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジの引き上げを続けなくても、バランスシート縮小は続けられると予想。当局者の推計では、銀行準備が不足し始めるまでまだ6000億ドルの圧縮が可能で、2020年半ばにそうした時期が到来するとみているようだと、ジャージー氏はコメントした。

原題:Fed’s Jumbled Talk Leaves Balance-Sheet Message in ‘Disarray’(抜粋)

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