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18年貿易収支は3年ぶり赤字ー12月輸出は3カ月ぶりマイナス

更新日時
  • 12月輸出額は3.8%減、輸入額は1.9%増といずれも予想下回る
  • 輸出は想定以上に弱い、今後下振れの可能性留意-みずほ証・宮川氏

輸出から輸入を差し引いた日本の2018年の貿易収支は速報で1兆2033億円の赤字と、3年ぶりに赤字となった。原油相場の上昇などを背景に輸入額が伸びた。12月の貿易収支は輸出が3カ月ぶりに減少した。財務省が23日発表した。

キーポイント

  • 18年輸出は4.1%増の81兆4866億円、輸入は9.7%増の82兆6899億円
  • 12月貿易収支は553億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は423億円の赤字)-前月は7377億円の赤字
    • 輸出は前年比3.8%減(予想は1.8%減)の7兆240億円と3カ月ぶりの減少-前月は0.1%増
      • 輸出数量指数は5.8%減と2カ月連続の減少
    • 輸入は1.9%増(予想は4%増)の7兆793億円と9カ月連続の増加-前月は12.5%増

 
中国向け落ち込む

エコノミストの見方     

大和総研経済調査部の広野洋太研究員:

  • 基本的に貿易数量も輸出金額も2018年半ばからピークアウトしてきていた。それを踏まえると、今回マイナス転換したのは十分に考えられることだった
  • 中国は、特に半導体製造装置の減少が単月で全体を下押ししている。輸出についても昨年半ばから急速に減少してきており、かなり注意が必要。貿易摩擦の影響というよりは実需面で弱さが出てきている
  • 米国の追加関税について、日米間ではまだ大きな影響が出ていない
  • 中国、欧州中心に外需の景気減速してきている。そちらの減速が大きくなるという点に注意が必要

みずほ証券の宮川憲央シニアエコノミスト:

  • 輸出は思った以上に弱い数字、今後も輸出が下振れる可能性を留意しておいたほうがよい
  • 主に中国経済の減速と世界的なIT関連需要の循環的要因が影響、中国経済減速には米中貿易摩擦が少なくとも部分的には影響している
  • 今年前半は輸出が弱い状況が続く可能性がある。消費がパッとしない中で輸出が弱いとなると、生産も弱いということになり、日本経済は踊り場状態が今後数カ月続く見通し

         

詳細

  • 18年の貿易収支は3年ぶり赤字、油価上昇で、輸出・輸入額とも過去2位の高水準-財務省担当者
    • 対米収支は8.1%減の6兆4548億円-2年ぶりの減少
      • 輸入が航空機、原油中心に11.4%増、輸出は自動車が減るなど2.3%増にとどまる
    • 対中収支は3年連続で赤字幅縮小-輸出額は過去最大
  • 12月輸出の3.8%減は16年10月(10.3%減)以来の減少幅-財務省
    • 中国向け半導体製造装置や携帯電話部品、半導体電子部品などが減少
    • 対中収支は2%減の1944億円の赤字-9カ月連続の赤字
    • 対米収支は20.3%減の5678億円の黒字-6カ月連続で黒字幅縮小
  • 内外の経済情勢や原油価格の影響を受けるため、貿易問題が要因かどうか回答するのは難しい-財務省

背景

  • 政府は12月の月例経済報告で、「景気は緩やかに回復している」と基調判断を維持。一方、貿易・サービス収支は「赤字はこのところ増加している」に、国内企業物価は「上昇テンポが鈍化している」に下方修正
  • 貿易摩擦や中国経済減速で世界景気に不透明感が増す中、国際通貨基金(IMF)は21日発表した世界経済見通し(WEO)で、19年の世界経済の成長率が3年ぶり低水準になると予想
  • 日本の成長率についてIMFは、政府の消費増税対策を踏まえ19年予想を1.1%、20年を0.5%とそれぞれ0.2ポイント上方修正。政府は19年度見通しを外需や設備投資の鈍化などを背景に1.5%から1.3%に引き下げている         
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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